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SEAS、簡単なシリコンコーティングが長年の光学課題を解決

November, 15, 2021, Cambridge--ハーバードSEASの新しいアプローチは、強力な超高速レーザパルスのアプリケーションを広げる。

1兆分の1秒以下の時間幅、レーザ光のクイックバーストは、今日、幅広いアプリケーションで利用されている。これら超短レーザパルスにより研究者は化学反応をリアルタイムで観察、繊細な生体サンプルをイメージング、精密なナノ構造を構築、長距離、高ビットレート光通信を可能にする。

しかし可視光スペクトラムにおける超短レーザパルスでは、どんなアプリケーションでも基本的な問題を克服しなければならない。赤色光が、ガラスのような透明材料では青色光よりもスピードが速いと言う問題である。したがって、超短パルスがガラスレンズを透過する際には、光の密集波長は分離し、ビームの有用性を破壊する。

この色分散問題は、何十年も光学研究者を悩ましてきた。今日、ほとんどのソリューションは、付加的コンポーネンを必要としており、そのため光デバイスのサイズと容積の増加となっている。

ハーバード大学SEASの研究者は、Graz University of Technologyと協力して、ガラスレンズ表面に適用することで分散効果を打ち消すシリコンコーティングを開発した。

研究成果は、Natrue Communicationsに発表されている。

SEAS、Robert Wallace応用物理学教授、Federico Capassoは、「われわれのフレキシブルなアプローチは、従来のオプティクスや光学設定で直ぐに実行可能であり、様々な光学分野やアプリケーションに適用可能である」と説明している。

超薄コーティングは、精密設計されたシリコンピラーを利用する。これらが赤色光を一時的に捉えて保持し、その後で再放出する。この一時的ホールドにより、遅い動きの青色光が追いつくことができる。

SEASのポスドク研究者、論文の筆頭著者、Marcus Ossianderは、「われわれのコーティングは、透明材料の分散効果を打ち消し、赤色光にはスピードバンプとして働き、各光波長のスピードを平均して出力する」と説明している。

研究チームは、レーザパルスを数千兆分の1に短くしてそのコーティングをテストした。ナノピラーシリコンコーティングは、産業半導体と同じ商用リソグラフィ装置を使って作製されているので、これらのコーティングは既存の光コンポーネントに直ぐに適用し、フェムト秒レーザパルスのアプリケーションを簡単に拡張できる。

「誰でもレンズを買い、それにコーティングして、分散を気にすることなく、そのレンズを利用できる。このアプローチは、数々の反分散、非分散オプティクスの基礎となりうる」とOssianderは話している。

(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)