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ムーアの法則を拡張する基礎化学の成果

July, 22, 2014, Berkeley--材料科学と製造技術の進歩により、年を追ってコンピュータチップは微小化する。この進歩の連続は、マイクロプロセッサ上のトランジスタがほぼ2年ごとに倍になると言う「ムーアの法則」である。
 しかしムーアの法則が今後も継続するなら、チップ製造工程の一つのコンポーネント、フォトレジストと呼ばれる化学物質の一新が必要となる。写真に使用されるフィルムに似たフォトレジストは、単にレジストとも呼ばれ、縮小し続けるラインと機能のパタンをチップに写すために使用される。
 現在、計算とエネルギー効率を高めながらトランジスタサイズを縮小し続けることを目指してチップメーカー、インテル(Intel)は、全く新しい種類のフォトレジストを設計するために米国エネルギー省ローレンスバークリ国立研究所(LBNL)の研究グループと提携した。重要な点は、フォトレジストの化学特性を明らかにすること。この点は、体系的にパフォーマンスを改善するには極めて重要である。研究チームは、研究成果をレジスト製造企業が取り込むことは容易であり、2017年には製造ラインに導入されると見ている。 
 この新しいレジストは、以前のレジスト2種類の材料特性を組み合わせ、より小さな機能をマイクロプロセッサに造るのに必要な特性を達成した。バークリー研究所のスタッフサイエンティスト、Paul Ashby氏によると、この特性には、よりよい光感度と機械安定性が含まれる。
 今日のレジストの問題は、それが本来、波長248nmと193nmのDUV光源向けに開発されたことである。しかチップで一段と微細な機能を実現するために業界はさらに波長の短い13.5nmの新しい光源に移行しようとしている。EUV光源はすでに製造パイロットラインに入り込んでいるが、残念ながら現在のレジストはまだ量産準備ができていない。
 Ashby氏によると、EUVは有望技術であるがEUVが約束する解像度でパタンを描けるようなレジスト材料も必要になる。したがって研究チームは2種類のレジストを調べた。一つは、UV光の露光により結合を形成する分子でできた架橋結合という。この種のレジストは機械的安定性が優れていて、成長中に変形しない、つまりこのレジストで造った高く薄いラインが崩れない。しかしこれが過度の架橋結合で実現されるなら、長く高価な露光が必要になる。第2のレジストは、極めて感度がよいが、機械的な安定性がない。
 研究チームがこれら2種類のレジストを様々な濃度で組み合わせ、両者の最良特性を獲得することができた。その材料は、CXRO(Center for X-ray Optics)で独自のEUVパタン形成機能を用いてテストされた。LBNL、Molecular FoundryのNanofabricaton and Imaging and Manipulationファシリティを使ってパタンを分析し、そのフォトレジストで作製されたラインが、幅を狭くしても、滑らかであることを確認した。化学的分析により、様々な添加物の濃度が架橋結合メカニズムと、結果として得られる安定性および感度にどのように影響するかも確認することができた。
 研究チームによると、今後の作業には、レジストの化学式を、将来のマイクロプロセッサで必要とされる微細コンポーネントにさらに最適化することが含まれる。半導体産業は、現在製造プロセスを10nmノードのチップに適合させようとしている。全てがうまくいけば、このようなレジスト材料はそのプロセスで重要な役割を果たし、ムーアの法則の存続に寄与することになる。
(詳細は、lbl.gov)