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光が胚発育、ガンのキーとなる信号伝達経路を始動

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September, 15, 2021, Champaign--青色光は、胚発生、組織メンテナンス、ガンの発生で重要なシグナリング経路の新たな理解を説明する。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者は、カエル胚でWntシグナリング経路を活性化するために青色光を使うアプローチを開発した。経路は、動物や人間の発達で広範な役割を担い、また光でそれを調整する能力により研究者の各種機能研究を改善する。

バイオケミストリー教授、Kai Zhang、比較生物科学教授、Jing Yangをリーダーとして、研究チームは研究成果をMolecular Biologyに発表した。論文は、上位1%の注目情報に選択された。

Wnt経路は、細胞表面の受容体によって活性化され、細胞内のカスケード反応を始動する。Zhangによると、多すぎる、あるいは少なすぎることは破滅である。細胞表面受容体刺激のために標準的な技術を使って経路を研究することが非常に難しくなる。

「胚発生中、Wntは、頭、脊髄、眼など多くの臓器の発育を調整する。それは、大人の多くの組織で幹細胞も維持する。不十分なWntシグナリングは、組織修復失敗に行き着くが、高いシグナリングは、ガンになる可能性がある」(Yang)。

Zhangによると、化学的刺激など、そのような経路の調整に標準的なアプローチで必要なバランスを達成するのは非常に難しい。これに対処するために,研究チームは青色光に反応する受容タンパク質を設計した。このアプローチで、チームは、強度や光の持続を変調することでWntレベルを調整することができる。

「治療法としての光は光線力学療法で使われた。利点は生体適合性と露出領域に残存効果がないこと。しかし、ほとんどの光線力学療法は、一般に、光を使って高エネルギー化学物質、例えば活性酸素種を生成する。正常組織と病変組織の区別がないので、ターゲット治療が不可能になる。われわれの研究では、青色光が、カエル胚の様々な身体区分内でシグナリング経路を活性化することができる。細胞機能の空間的に定義された刺激が、オフターゲット毒性の問題を緩和できる、とわれわれは見ている」(Zhang)。

研究チームは、カエル胚で脊髄と頭の発育促進によりチームの技術を実証し、その調整可能性と感受性を検証した。その技術は、標的にするのが難しいことが分かっている他の膜結合型受容体にも適用できるとチームは仮定している。また、Wnt経路を共有する他の動物にも適用可能であり、これらの経路が発育をどのように調整するか、また過度の刺激あるいは刺激不足で何が起こるかの理解を促進することになる。

「われわれは、胚発生の下層にある他の本質的なシグナリング経路をカバーするために引き続きわれわれの感光性システムを拡張し、発達生物学界に価値ある一連のツールを提供する。これは、多くの発達過程の根底にあるシグナリング結果の判定に役立つツールである」(Yang)。

研究チームは、Wntを研究するチームの光ベース技術が、人間の組織における組織修復やガン研究を説明できると期待している。

「ガンは過度に活性化されたシグナリングに関与することがよくあるので、感光性Wntアクティベータを使って生きた細胞でガンの進行を研究できると考えている。生細胞イメージングと組み合わせてわれわれは、正常な細胞をガン性細胞に変えるシグナリング閾値の定量的判定ができる。したがって、将来の精密医療で標的固有治療法開発の一次データを提供できる」とZhangは話している。

(詳細は、https://news.illinois.edu)