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スイスのアルプス頂上に避雷針として機能する「スーパーレーザ」設置

July, 29, 2021, Ditzingen--TRUMPFとジュネーブ大学は、スイスのSäntis山頂上のレーザベース避雷針に点火した。次の数週間、研究チームは、この強力なシステムを使って、一連の気象実験を行う。目的は、嵐雲からの稲妻を制御し、落雷を損害が起こらない場所へ方向付けること
 TRUMPFレーザエンジニア、Clemens Herkommerは、この目標を現実にするために一種のスーパーレーザの開発に過去4年を費やした。「レーザ避雷針は、現在、クラス最高強度レーザの1つである。1秒に1000のレーザパルスを雲に打ち込むことで、われわれは安全に稲妻を放電させ、少し安全な世界を実現することができる」と同氏はコメントしている。

空港、原子力発電所、超高層ビルや森は、定期的に雷に打たれる。それは毎年、数十億ユーロの損害の原因となる。米国だけで、嵐と落雷のコストは年に50億ドルの経済負担となっている、主に航空交通の混乱、航空機や送電線の損害によるものである。この問題に対処するためにEUは、Laser Lightning Rod (LLR)プロジェクトを立ち上げた。プロジェクトの核心にはTRUMPFレーザがある。これは、嵐雲にレーザフィラメントとして知られる一種のチャネルを形成する。稲妻の放電が起きるときはいつでも、レーザフィラメントにより放電はこのチャネルに従い、制御された仕方で地上に落ちる以外の選択肢がなくなる。そのレーザシステムの開発コストは200万ユーロ程度である。

ヘリコプターで山頂へ
Herkommerは、「レーザは、ラボでは完璧に動作するので、大気中でも稲妻を制御できると楽観的になっている」と言う。プロジェクトは、ジュネーブ大学、気象研究者、Jean-Pierre Wolf教授がリーダーとなっている。研究チームは、2021年夏の終わりまでには、ある程度の予備結果が出ると見ている。

レーザは9m長、重量5トン。山頂へ運ぶのが大きな課題だった。Clemens Herkommerとプロジェクトパートナーは、2021年5月後半、レーザを個別コンポーネントに分解し、それらをケーブルカーとヘリコプターで山頂の測候所へ輸送した。数週間で全てを元に戻してレーザを動作させ、気象実験は、現在、良好に進行中である。

Säntis山とプロジェクトパートナーの最適選択
スイスのSäntis山は、レーザ避雷針の完璧選択であることが分かっていた。6月、7月、8月の雷雨活動ピーク期間に、Säntisには数百の落雷がある。

TRUMPFおよびJean-Pierre Wolf教授とともに、プロジェクトに関与しているのは、ジュネーブ大学、フランス国立化学研究センタ(CNRS)、AMCコンサルト会社、スイス連邦技術研究所ローザンヌ、ArianeGroup航空宇宙会社、University of Applied Sciences and Arts Western Switzerland (HES-SO)。

TRUMPFの化学レーザ
ミュンヘン近くUnterföhringのTRUMPFは、科学プリケーション向けレーザの開発と製造を専門にしている。15名の専門チームが、新しいX線光源や粒子加速器向けのレーザを含め、様々なプロジェクトに取り組んでいる。

(詳細は、https://www.trumpf.com)