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メタサーフェスで光の偏光を制御

June, 16, 2021, Cambridge--偏光、光が振動する方向は人の眼には見えないが、それと相互作用する物体について多くの情報を提供する。偏光を制御し特性評価できることは、バイオメディカルイメージングから光通信まで、幅広いアプリケーションにとって重要である。

ハーバード、Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences (SEAS)、Federico Capasso研究室の研究チームは、光の偏光を制御、操作できるコンパクトなメタサーフェスを開発しており、これにより広い範囲の新しい偏光光学アプリケーションが開ける。しかし、今日まで、これらの新しいデハイスを含む全ての偏光素子には制約がある。それらは、光が空間を伝搬する際に偏光を制御できない。

「伝搬方向に沿って光の偏光を制御できることで、新しいアプリケーションへの道が開ける。例えば、生きた組織の内の光を操作したい場合、生体組織内に、組織を破壊することなく多くの偏光子を挿入することはできない。やりたいことは、光の偏光のリモート制御である」とCapassoラボのポスドクフェロー、Ahmed Dorrahはコメントしている。

今回、研究チームは、ビームパスに沿って空間から光の偏光を遠隔制御できるメタサーフェスを開発した。研究成果は、Nature Photonicsに発表された。

そのメタサーフェスは、二酸化チタンナノピラーでできており、ガラス基板上にリング状に配列されている。ナノピラーの各リングは,木の年輪のようであり、情報を含んでいる。この場合は、偏光情報。光がそのメタサーフェスを透過すると、ナノピラーは偏光情報をビームにエンコードする。ビームがメタサーフェスから離れると、偏光は、特殊な状態を獲得する。

「以前のアプローチと対照的に、われわれのデバイスは、どんな入力偏光状態の光でも機能する」と論文の筆頭著者、Dorrahは説明している。

そのメタサーフェスは、CMOS適合技術を使って製造された。つまり、これらのコンパクトな光学素子は、大きな光学系に容易に組みこめる。

「競合技術、液晶(LC)スクリーンや従来のホログラフィック技術などを使ってわれわれの結果を再現するなら、少なくとも3つの異なるLCスクリーンと多くの他のコンポーネントを使って、どのポイントでも、光の位相、振幅、偏光を制御する必要がある。これは、かさばるセットアップになり、多くの実用的なアプリケーションでは役に立たない、またメタサーフェスが提供する同じナノスケールレベルの操作はできない」と論文の共著者、SEASのポスドクフォローNoah Rubinは説明している。

「このデバイスにより、偏光制御が重要なアプリケーションで新しい洗練された光の状態が可能になる。これに含まれるのは、リモートセンシング、光と物質の相互作用、利量子通信である」と論文のシニアオーサ、Capassoは話している。

次に、研究チームは、空間だけでなく時間でも光を制御できるメタサーフェスにその技術を拡張する計画である。これにより、科学技術で多くの新しい道が開ける。
(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)