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UTアーリントン、結晶磁性炭素と近赤外レーザを使い薬事/遺伝子治療

June, 26, 2014, Arlinton--テキサス大学アーリントン(UT Arlington)物理学の研究チームは、レーザ技術を使って、周辺組織に損傷を与えることなく細胞レベルで薬事療法や遺伝子治療を行う方法を開発した。この方法は、遺伝子疾患、ガン、神経疾患に罹っている患者を助けることになる。
 研究チームは、結晶磁性炭素と連続波近赤外レーザビームをいわゆる光熱輸送に使用した。論文の著者は、物理学教授、Ali Koymen氏、同助教授Samarendra Mohanty氏とLing Gu研究員。
 この新しい輸送法は、Koymen氏とMohanty氏が50~100mWレーザと、同じ炭素ナノ粒子を使った以前の研究から発展した。実験室では、このナノ粒子がビームを吸収して加熱され、癌細胞を破壊した。研究チームは、ラボテストで新しい光熱輸送法を使用して、不浸透性染料と小さなDNA分子を人の前立腺ガンと繊維芽内腫細胞に導入した。
 この研究では、Mohanty氏は20~30mW連続波近赤外レーザを使い、細胞を殺すことなく細胞膜にナノ粒子を浸透させた。この方法は、狙った細胞膜を拡張して輸送を可能にし、おまけに流体の流れを作って輸送を促進する、とKoymen氏は説明している。同氏の研究室では、トルエン溶液内で電気プラズマ放電を用いて結晶磁性炭素ナノ粒子を作製した。
 異質のDNAや他の小さな分子を直接細胞に導入することは、最先端の遺伝子治療、ワクチン接種、ガンイメージング、その他の医学的治療の一部では不可欠になっている。現在、主要な方法は、細胞への輸送にウイルスを使用する。ただし、ウイルスによる輸送には限界があり、ウイルスとの相互作用で炎症反応や合併症を引き起こすことがある。
 UV-可視光レーザだけを使う方法もあるが、この方法は周辺細胞を損傷し、比較的浅いレベルでしか効果がない。
 新しい方法の大きな利点は、ナノ粒子を吸収する近赤外光は、ローパワーのレーザと目的の組織との相互作用を選択的に増幅し、照射パスに沿って存在する目標ではない細胞へのレーザ誘導による損傷を避けられることである。ナノ粒子の磁気特性は、外部磁場を用いて局所化できることも意味しており、より小さな濃度を効果的に利用することができる。
 磁気炭素ナノ粒子は、蛍光性でもあるので、MRIと併せて、腫瘍の光イメージングでコントラスト強化にも使える。