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NIST、原子ベース無線通信に重要機能を付加

April, 30, 2021, Gaithers--NISTと協力者は、入力無線信号の方向を決めることができる原子ベースセンサを実証した。これは、従来技術と比べて、雑音の多い環境で、小さく、機能が向上する潜在的な原子通信システムの別の重要部分である。

NISTの研究チームは、一般に利用されるている通信信号を受信できる同じ原子ベースセンサを以前に実証した。信号の「到来角」計測機能は、レーダやワイヤレス通信の正確さ保証に役立つ。これらは、実際のメッセージや画像をランダム、つまり意図的干渉から選別する際に必要となる。

「この新しい研究、われわれの以前の原子ベースセンサやレシーバについての研究と関連して、真の原子ベース通信システムにわれわれを一歩近づけ、5G以降に利益をもたらす」とプロジェクトリーダー、Chris Hollowayはコメントしている。

NISTの実験セットアップでは、2つの異なる色のレーザが、微小ガラスフラスコ、つまりセルに高エネルギー(“Rydberg”)状態の気体セシウム原子を調合する。これは、電磁場に対して極めて高感度な新しい特性を持つ。電界信号の周波数は、原子が吸収する光の色に影響する。

原子ベース“ミキサー”は入力信号を捉え、それらを異なる周波数に変換する。1つの信号がレファランスとして動作すると、2番目の信号は、より低い周波数に変換、つまり“デチューン”される。レーザが原子をプローブし、2つの信号の周波数差と位相差を検出、計測する。位相は、時間的に互いに対する電磁波の位置である。

ミキサーは、原子蒸気セル内の異なる2箇所でデチューンした信号の位相を計測する。これら2箇所で位相差に基づいて研究チームは、その信号の到来角を計算できる。

このアプローチを証明するためにNISTは、蒸気セル内の2箇所で様々な到来角で19.18 GHz実験信号の位相差を計測した。チームは、これらの計測をシミュレーションと理論モデルの両方と比較し、その新しい方法を検証した。Hollowayによると、選択された伝送周波数は、将来のワイヤレス通信システムで利用できる。

研究は、NISTの先端通信研究の一部。これには5G、広帯域セルラーネットワーク向け第5世代標準が含まれ、その多くは今日の技術よりも遙かに高速、大容量である。センサリサーチは、NIST on a Chipプログラムの一部でもある。これは世界クラス計測科学技術をラボから場所や時間を問わずユーザにもたらすものである。

原子ベースセンサ一般は、多くの潜在的利点をもつ。取り分け、高精度、汎用的な計測である。つまり、原子は同じであるので、どこでも同じである。原子ベースの計測標準には、長さと時間計測が含まれる。

さらなる開発で、原子ベース無線レシーバは、従来技術に対して多くの利点を提供できるかも知れない。例えば、配信のために信号を異なる周波数に変換する伝統的なエレクトロニクスは不要になる。原子が、その仕事を自動的に実行するからである。アンテナとレシーバは、物理的に小さくなり、マイクロメートルサイズになる。加えて、原子ベースシステムはある種の干渉やノイズに影響されにくくる。
(詳細は、https://www.nist.gov)