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VTT、自律ドローンとロボットをサポートするマシンビジョンを開発

April, 30, 2021, Stanford--自律的に動作するドローンや他のロボットは、周囲を観察し、介入なしに観察を解釈しなければならない。現在の技術を使うと、これは軽量機器のバッテリが供給できるよりも多くのエネルギーを必要とする。VTTとパートナーが、人の視覚からヒントを得て、高速、安全、エネルギー効率の優れたマシンビジョンシステムを開発する理由はそこにある。

目に見える環境を観察し、その観察結果を解釈するマシンビジョンシステムは、自律デバイスに必須である。スピードと安全性を確保するためにマシンビジョンシステムは、ローカルコンピューティングを使用しなければならない。自動運転車では、これは、LiDARsとコンピュータで達成可能であるが、計量デバイス、自己飛行ドローンなどでは、バッテリは通常のコンピュータハードウエアに十分に電力を供給できない。

VTTが調整役となっているEU-助成のMISEL(ローパワーニューラルコンピューティング装備マルチスペクトル・インテリジェントビジョンシステム)プロジェクトの目的は、高速、高信頼、エネルギー効率の優れたマシンビジョンシステムの開発である。これは、ドローン、産業およびサービスロボットや監視システムなどの機器で使用できる。

「アルゴリズムだけでなく、われわれは、マイクロプロセッサやグラフィックカードを使用するコンピュータよりも、ローカル知覚および分析に適したデバイスを開発しようとしている。われわれは、人の視覚からそれをモデル化しようとしている。人の視覚は、局所的、迅速、エネルギー効率よく機能する。システムは、観察されたものをフィルタリングして最初から処理できるようにすることが重要である。一連の通常写真を撮り、それに存在する全データを処理するのではない。フィルタリングは、システムがイベントに集中する際に可能になる、すなわち場面の変化に集中する時である」とMISELプロジェクトを調整するVTTのシニアサイエンティスト、Jacek Flakは説明している。

マシンラーニングを統合した新しいセンサ技術
MISELプロジェクトは、3つのコンポーネントで、神経形態学マシンビジョンシステムを開発している。つまり、ヒトの脳の機能を真似る。システムの第1コンポーネントは、可視光と赤外光の両方に感度がある量子ドットで作製されたフォトディテクタ。赤外感度により、霧、雨あるいは暗闇で動作可能になる。

目の網膜と同様に、そのセンサは、データを選択、圧縮して、転送する。チェーンの第2のコンポーネントは、後頭部にある小脳を模擬している。また、例えば、迅速操作(反射神経)に指示を出す。チェーンの第3のコンポーネントは、大脳皮質を真似るプロセッサ。それは、データの深い分析を行い、関心のある対象に焦点を合わせるようにセンサに指示する。プロジェクトの目的は、マシンラーニング法を使って、システムが多様なイベントを特定できるように指示することである。例えば、飛行ドローンと鳥の区別。また、一連のイベントを予測できるように指示する。

プロジェクトにおけるVTTの役割は、調整だけでなく、大脳皮質の機能を真似るプロセッサ、新しい不揮発性メモリの開発に焦点を当てている。さらに、VTTは、多様な技術の適合性、様々なコンポーネントとプロセッサの統合に関与している。

EU Horizon 2020プログラムが、そのプロジェクトに496万ユーロ助成している。
(詳細は、https://www.vttresearch.com/)