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シリコンデバイスと競合する大面積フレキシブル有機PD

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March, 25, 2021, Atlanta--フレキシブル大面積有機フォトダイオードの性能が、従来のシリコンフォトダイオード技術に対する優位性を提供できるところまで進歩した。特に、大きな領域で微光を検出する必要がある、バイオメディカルイメージング、バイオメトリックモニタリングなどのアプリケーションである。

ローノイズ、溶液処理した、フレキシブル有機デバイスは、任意の形状、大面積フォトダイオードの利用を可能にする。これは、大面積アプリケーションに拡張するには高価になる従来のシリコンフォトダイオードで必要となる複雑なアレイを置き換える。有機デバイスは、可視光スペクトルでは、反応時間を除いては、硬いシリコンフォトダイオードに匹敵する性能である。

「わわれが達成したものは、低温で溶液から作られたこれらのデバイスが毎秒、可視光の数十万のフォトンを検出できることの初の実証である。これは、暗い夜空で一つの星からわれわれの目に届く光の大きさと同じである」とジョージア工科大学、電子・コンピュータ工学部主席研究者Canek Fuentes-Hernandezは説明している。「これらの材料を任意の形状で大面積基板にコーティングする能力は、フレキシブル有機フォトダイオードが、数10マイクロ秒の範囲の反応時間を必要とするアプリケーションでは、最先端のシリコンフォトダイオードに対していくらか優位性を提供することを示している」。

大面積、ローノイズ有機フォトダイオードの開発およびパフォーマンスは、Scienceに発表された。研究をサポートしたのは海軍研究所、空軍研究所、DOE国家核安全保障局(NISA)。

有機電子デバイスは、カーボンベース分子、ポリマから作られた材料をベースにしており、シリコンなどの従来の無機半導体ではない。デバイスは、簡単な溶液とインクジェットプリンティング技術を利用して製造可能である。従来のエレクトロニクス製造に関わる高価で複雑なプロセスではない。その技術は現在、ディスプレイ、ソーラセル、および他のデバイスで広く用いられている。

その有機フォトダイオードは、ポリエチレンイミン、アミン含有ポリマ表面改質剤を使用する。これは、ジョージア工科大学Bernard Kippelen研究室で、Joseph M. Pettit教授が開発したPVデバイスで、空気安定、低仕事関数電極を造る際に発見されたものである。ポリエチレンイミンの利用は、低レベル暗電流のPVデバイス製造でも見られた。つまり、この材料は、可視光の微弱信号キャプチャのためのフォトダイオードに役立つということである。

「過去数年、暗電流レベルは、著しく低減されたので、100分の1秒で1個の電子振動に対応する電子ノイズを検出するために計測装置を再設計しなければならなかった」と論文の筆頭著者、Fuentes-Hernandezは話している。「この研究は、Kippelenグループが6年にわたる長期のチーム努力を反映しており、院生Talha Kahn、Wen-Fang Chouの研究の一部を含んでいる。これら集合的取組が、このレベルの性能の有機フォトダイオード実証に必要な科学的洞察を生み出した。

新デバイスのアプリケーションの一つは、パルスオキシメタ。現在、指に装着して、心拍や血中酸素濃度を計測している。有機フォトダイオードにより、多数のデバイスを身体に設置し、従来デバイスよりも10倍低い光で動作させることができる。これは、改善された生理学的情報生成と連続モニタタリングのためのウエアラブルヘルスモニタを可能にする。頻繁にバッテリを変える必要はない。他の潜在的アプリケーションはには、人とコンピュータのインタフェース、例えば非接触ジェスチャ認識や制御がある。

将来のアプリケーションには、シンチレーションによるイオン化放射の検出がある。これは、高エネルギー粒子が当たったとき、リンが放出する閃光。検出できる光のレベルを下げることで、デバイスの感度が向上し、もっと低いレベルの放射を検出できるようになる。車輌、カーゴーコンテナから放出される放射を検出するには大面積ディテクタが必要。これは、シリコンフォトダイオードアレイよりも有機フォトダイオードから造る方が容易である。

(詳細は、https://news.gatech.edu)