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高速Wi-Fiにフリースペースの光をキャプチャ

March, 10, 2021, Duke--可視光と赤外光は電波よりも多くのデータを運ぶが、常に硬いワイヤ、光ファイバケーブルに閉じ込められている。Facebook’s Connectivity Labと共同研究しているデュークチームは、ファイバオプティクスのファイバを捨てる夢に向けて大きく前進した。

高速ワイヤレスインターネット向けフリースペース光通信システム実現に取り組んでいる間にチームは、微小なシングルユニットプラズモンアンテナで以前に実証されたスピードと効率特性が、より大きなセンチメートルスケールのデバイスでも達成できることを示した。研究成果は、Opticaに発表された。

2016年、Internet.org’s Connectivity Labは、フリースペース光通信に使える可能性がある新しいタイプの光ディテクタを説明している。伝統的に、ハードワイヤード光ファイバ接続は、無線ワイヤレス接続よりも遙かに高速にできる。これは、可視光と近赤外光の周波数が電波(Wi-Fi、Bluetoothなど)よりも遙かに多くの情報を運べるからである。

しかしワイヤレスデバイスでこのような高周波を利用することは難しい。現在のセットアップはLEDsかレーザのいずれかを使い、自分で向きを変えて接続を最適化できるディテクタを狙う。もしディテクタが、様々な方向からの光を同時に捉えることができれば、遙かに効率的になる。問題は、光レシーバのサイズを大きくすると、その速度が落ちることである。

これは、Connectivity Labの設計の場合である。蛍光ファイバの球状バンドルは、どんな方向からのレーザ光でも捉え、青色光を再放出する。それを小さなレシーバに通す。プロトタイプは、2Gbit/sのレートを達成することができた。ほとんどのファイバオプティックインターネットは最大10Gbit/s、さらにハイエンドのシステムは数千になる。

デュークのコンピュータ電気・工学、物理学准教授、Maiken Mikkelsenは、「Connectivity Labのプロトタイプは、使っている蛍光染料の発光時間に制約されているので、非効率、低速になっている」と指摘。「彼らは,高速化のために、蛍光システムで超高速反応時間を示したわたしの研究に注目した。わたしの研究は、これらの効率レートがシングルナノスケールシステムで実証されているだけであるので、センチメートルスケールのディテクタに拡張できるかどうかは分からなかった」。

Mikkelsenの説明によると、全ての以前の研究は、シングルアンテナでの原理実証だった。これらのシステムは、一般に数千ナノメートル間隔で、金属膜上わずか数ナノメートルに設置した金属ナノチューブを必要とする。実験は、広いエリアに数万のナノキューブを利用するかも知れないが、超高速特性の可能性は、歴史的に見て、わずか1キューブをつまみ食い的に計測ただけだ。

新しい論文で研究チームは、もっと目的を持った、最適化された設計を大面積プラズモンデバイスに持ち込んだ。わずか60nm幅の銀ナノキューブは、200nm間隔で設置され、デバイス表面の17%をカバーしている。これらのナノキューブは、薄い銀層の7nm上方にあり、4層の蛍光染料で密封されたポリマ被覆で分けられている。

そのナノキューブは、銀ベースと相互作用する。これにより蛍光染料のフォトニック機能が強化され、蛍光全体で910倍増となった。また、発光強度は133倍である。超高速アンテナは、視界120°からの光を捉えて、それを光源に直接変換することができる。全般的に30%の効率記録である。

「プラズモン効果は常に、大面積では大幅な効率低減となることが知られていた。しかし、ナノスケールデバイスの魅力的な超高速放出機能を利用して、それを微視的スケールで再構成できることを示した。また、われわれの方法は,非常に簡単に製造工場に移管できる。われわれは、これら大規模プラズモンメタサーフェスをピペットで1時間内に作製可能であり、これは金属膜への単純な液体堆積である」とTraversoは説明している

デモンストレーションの全般的な効果は、大きな視野角から光を捉え、それを狭いコーン型にスピードを落とすことなくいれる能力である。この技術で前進するために研究チームは、複数のプラズモンデバイスを一つにして360°視野角を実現し、さらに別の内部ディテクタを内蔵させることである。すべきことはあるが、研究チームは,前途は実行可能であると見ている。

「このデモンストレーションでは、われわれの構造は効率的に動作して、フォトンを広い角度から狭い角度に、スピードを落とすことなくリレーする。われわれは、Connectivity Labがオリジナル論文でしたような所定の高速フォトディテクタを組みこんでいない。しかし、われわれは、その設計の主要なボトルネックを解決しており、将来のアプリケーションはすばらしいものになる」とMikkelsenは話している。

(詳細は、https://pratt.duke.edu)