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アルミニウムを含む三重らせん型色素からの円偏光発光を実現

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November, 4, 2020, 福岡--九州大学大学院工学研究院の小野利和助教は他大学の共同研究者とともに、安価で豊富なアルミニウムを含む三重らせん型色素を世界で初めて開発し、紫外光照射下で多様な発光色を示す円偏光発光材料の創製に成功した。
 円偏光発光とは、左回転もしくは右回転の偏りを持つ光のことであり、セキュリティ分野などの次世代光情報技術への応用が期待されている。従来の円偏光発光材料は、多くの段階で煩雑な有機合成を必要とすること、高価なキラル分子や希少金属(レアメタル・レアアース)を必要とすることが問題点だった。
 研究の三重らせん型色素は、単純なピロール誘導体、ヒドラジン、塩化アルミニウム等の市販試薬からわずか2回の工程で合成可能であり、優れた熱耐久性と高い蛍光量子収率を示す。らせん構造を持つDNAや蛋白質を高選択的に染色する可能性も秘めており、新たなバイオイメージング技術への応用が期待される。
 研究成果は、「Angewandte Chemie International Edition」にオンライン掲載された。

工学研究院小野利和助教は、「資源の少ない日本において、レアメタル等の希少元素の代替物質を探る元素戦略が注目を集めています。 本研究は、地殻中に最も多く存在する金属元素であるアルミニウムを用いて、簡便かつ高機能な材料の創製を達成することができた。今後も分子デザインに磨きをかけ、実社会に役立つ分子を生み出したいと考えている」と話している。

研究グループ
九州大学大学院工学研究院の小野利和助教、久枝良雄教授、石濱航平大学院生、大分大学の原田拓典准教授、北里大学の長谷川真士講師、兵庫県立大学の阿部正明教授

論文掲載誌:Angewandte Chemie International Edition

(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp)