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Science/Research 詳細

光照射で結晶相転位を誘起し急速に形状変化する結晶システムを開発

November, 2, 2020, 大阪--龍谷大学先端理工学部 内田欣吾教授の研究グループは、光に応答する有機結晶の研究を行っており、光照射で結晶が急速に屈曲する現象のメカニズムを解明した。
 この結晶に紫外光を照射すると、光源から離れるように僅かに屈曲した後、今度は逆に光源側に劇的に大きく曲がる。この時に「マルテンサイト転位」と呼ばれる相転移がおこり、非常に大きな形状変化が急速に進行する。大きく曲がった状態に可視光を照射すると、もと来た軌跡を戻るように大きく変動し、直前の光源から僅かに離れる位置に一度着いた後、最初の直線状に戻りました。

 内田研究室では、このように大きな動きを誘起するマルテンサイト転位を光で制御でき、その形状変化が劇的に急速に進行することを見出した。
 現在、金属を使って作られるロボットに対して、柔らかい材料をつかった「ソフトロボット」の開発が進められている。光で屈曲する結晶も、ソフトロボットの有力候補であるが、応答が緩やかである。今回の光応答システムは、その欠点を克服する一つの回答を示したものである。このような、機構解明による、新機軸の提案なしに技術革新はできないと考えられる。
研究成果は、英国王立化学会の旗艦誌Chemical Scienceにオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.ryukoku.ac.jp)