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Aqua-Fi、光ビームでデータを水中送信

June, 18, 2020, Thuwai--KAUSTの研究者によると、光ビームでデータを送る水中インターネットによりダイバーは、水中から直ちに表面にビデオを伝送できる。

インターネットは、不可欠な通信ツールであり、世界中の数百億のデバイスを接続しているが、水中からのウエブ接続は、まだ苦労が多い。「学界と産業界の両方の人々が、水中環境を詳細にモニタし、研究したいと考えている」と論文の筆頭著者、KAUSTのBasem Shihadaは説明している。海中のワイヤレスインターネットによりダイバーは、手信号なしで話すことができ、表面へライブデータを送ることができる。

水中通信は、無線、音響波、可視光信号で可能になっている。しかし、無線は短距離でデータを送ることができ、一方音響信号は長距離伝送をサポートするものの、データレートは限られている。可視光は、遙かに遠くに飛び、データ量も多いが、狭い光ビームは、送信器と受信器との間に明確な見通し線を必要とする。

今回、Shihadaのチームは、水中ワイヤレスシステム、Aqua-Fiを作製した。これは、LEDsまたはレーザのいずれかを使ってマルチメディアメッセージ伝送など、インターネットサービスをサポートしている。LEDsは、短距離通信の低エネルギーオプション、一方レーザは、データ伝送距離は延びるものの、より多くのパワーを必要とする。

Aqua-Fiプロトタイプは、グリーンLEDsまたは520-nmレーザを使って、小型簡素なコンピュータから、別のコンピュータに接続された光ディテクタにデータを送信した。最初のコンピュータが写真やビデオを一連の1sと0sに変換し、これらを光ビームの高速ON/OFFに変換する。光ディテクタがこの変化を検知し、それを1sと0sに変換し、これらを受信側のコンピュータが元のビデオに変換する。

研究チームは、静水に数メートル離して設置した2台のコンピュータ間でマルチメディアを同時にアップロード、ダウンロードすることでそのシステムをテストした。記録された最大データ転送レートは、2.11MB/sec、平均遅延は往復で1.00 ms。「これは、水中で完全ワイヤレスインターネットを利用した初めてのケースである」とShihadaはコメントしている。

Aqua-Fiは、無線通信を使ってダイバーのスマートフォンからのデータを、装備に取り付けた「ゲートウエイ」デバイスに送る。そこから光ビームで表面のコンピュータにデータを送る。コンピュータは衛星を介してインターネットに接続されている。

実世界では、Aqua-Fiは、ダイバーのスマートフォンからのデータを「ゲートウエイ」に無線送信。次に、このゲートウエイはブースターのように光ビームでデータをサテライトを介してインターネットに接続された表面のコンピュータに送る。