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NREL、6接合太陽電池、2つの効率世界記録

April, 21, 2020, Golden--国立再生可能エネルギー研究所(NRL)の研究者は、効率約50%の太陽電池を作製した。

その6接合太陽電池は、現在、世界最高のソーラ変換効率47.1%を達成している。これは集光型で計測された。同じ電池のバリエーションは、1-sun照射でも効率記録39.2%を達成した。

NRL高効率結晶PVグループ(High-Efficiency Crystalline Photovoltaics Group)主席研究者、論文の主筆、John Geiszは「このデバイスは、多接合太陽電池の特別な可能性を実際に証明している」とコメントしている。
 研究成果は、Nature Energyに発表された。“Six-junction III-V solar cells with 47.1% conversion efficiency under 143 suns concentration”

そのデバイス作製のためにNRL研究者は、幅広い光吸収特性を持つIII-V材料を利用した。電池の6接合(光活性層)の各々は、太陽スペクトルの特定部分から光を捕らえるように特別に設計されている。デバイスは、これら接合の性能をサポートするために多様なIII-V材料の約140層を含み、なおかつ厚さは人の髪の毛よりも3倍薄い。その高効率性と製造関連コストにより、III-V太陽電池は、ほとんどの場合、III-Vの比類のない性能を重んじる発電衛星に利用されている。

しかし地球上では、6接合太陽電池は、集光型太陽光発電での利用に適している、とNRLの研究者、論文の共著者、Ryan Franceは指摘している。

「コストを下げる1つの方法は、必要な面積を減らすことだ。それには、ミラーを使って光を捕らえ、光を一点に集光することで達成可能である。すると、材料はフラットプレートシリコンと比べて100分の1、ことによると1000分の1ですむ。光を集光することで著しく少ない半導体材料を使う。さらなる利点は、光集光により効率が上がることである」と同氏は説明している。

Ryan Franceは、その太陽電池は潜在的に効率50%を超えると言う。「実際的に達成可能である」。しかし、100%の効率は、熱力学による基本的な制約により達成できない。

John Geiszによよると、現在の主要な研究のハードル、50%の効率達成は、電流を妨害する電池内部の抵抗障壁を減らすこと。同時にNRLは、III-V太陽電池のコスト低減に積極的に取り組んでいる。これによりこれら高効率デバイスの新しい市場が開けるからである。
(詳細は、https://www.nrel.gov/)