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TU Wien、固体結晶を利用した光パルス波形計測

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March, 2, 2020, Wien--これまで、光パルスの形状を計測するには複雑な実験装置が必要だった。TU Wien、MPI Garching および LMU Munichの研究チームは、これを著しく簡素にした。

現在、最新のレーザは極短光パルスを生成でき、それは材料の探求から医療診断まで幅広いアプリケーションに使用できる。この目的では、レーザ光波の形状を非常に正確に計測することが重要である。今日まで、これは大きく、複雑な実験セットアップを必要としていた。現在、これが径1㎜以下の微小な結晶でできる。その新しい方法は、MPIが、ガーヒンの量子オプティクス、LMU Munich およびthe TU Wien (Vienna)用に開発した。その進歩が、今では、光と物質の相互作用について重要な細部を明らかにするために役立つ。

電子で光を見る
フェムト秒オーダーの極短光パルスが研究された。「そのような光波の画像を作るには、電子と相互作用させななければならない。レーザの電界に対する電子の反応により、光パルスの形状についてわれわれは非常に正確な情報が得られる」とTU Wienの理論物理学研究所、Joachim Burgdörfer教授は説明している。

以前は、赤外レーザパルス計測の一般的な方法は、X線領域の波長で極短レーザパルスを加えて照射していた。両方のパルスがガスを透過するように送られるのである。X線パルスが個々の原子をイオン化し、電子が放出され、それが赤外レーザパルスの電界で加速される。電子の動きが記録される。実験が、2つのパルス間の異なる時間シフトで何度も行われると、赤外レーザパルスの形状が、最終的に再構成される。この方法で必要とされる実験努力は非常に高い。複雑な実験セットアップが必要になる。真空システム、多くの光素子やディテクタが必要になる」とChristoph Lemell (TU Vienna)教授は説明している。

微小な酸化物結晶内で計測
そうした複雑さを回避するために、気体内ではなく固体内で光パルスを計測するアイデアが誕生した。「ガス内では、まず自由電子を得るために原子をイオン化しなければならない。固体では、電子が、レーザ場によって駆動され、固体を透過するように十分なエネルギーを電子に与える」とIsabella Floss (TU Vienna)は説明している。これによって電流が生じ、直接それを計測できる。

数100µm径の微小な酸化シリコン結晶がこの目的で使用される。それらに2つの異なるレーザパルスを照射する。調べられるパルスは、UVや可視光から長波赤外まで、どんな波長でも可能である。このレーザパルスが結晶に浸透し、別の赤外パルスをそのターゲットに照射する。「この第二のパルスは、材料の非線形効果が電子のエネルギー状態を変えて動かすほどに強い。これは、時間的特定点で起こるので、極めて正確に調整、制御できる」(Joachim Burgdörfer)。

電子が結晶を透過するとすぐに、電子は最初のビームの電界によって加速される。これは、電流を生成し、結晶で直接計測される。この信号は、光パルスの形状について正確な情報を含んでいる。

多くの潜在的アプリケーション
TU Wienでは、その効果は理論的に研究され、コンピュータシミュレーションで分析された。実験は、マックスプランク量子オプティクス研究所(Max Planck Institute for Quantum Optics)で行われた。「理論と実験の密接な関係により、新しい方法が、UVから赤外まで幅広い周波数範囲でよく機能することを示すことができた。光パルスの波形は、そのような著しく簡素でコンパクトなセットアップにより、以前と比較して遙かに簡単に計測できる」とChristoph Lemellはコメントしている。

新しい方法は、興味深いアプリケーションを開くことになる。新しい材料の正確な特性評価により、光と物質の相互作用についての基礎物理学的な問題に答えることができる。また、複雑な分子、例えば、微小な血液サンプルの検査により病気を高信頼に、迅速に検出することさえできる。