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遠赤外域を見るコロイド量子ドットフォトディテクタ

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February, 12, 2020, Barcelona--遠赤外で光を検出できるコロイド量子ドットフォトディテクタの開発がNanolettersに報告された。

中赤外から遠赤外(5µm)における光センシングは、様々な分野で非常に重要になってきている。環境モニタリング、ガスセンシング、サーマルイメージング、食品品質制御、製薬業などで優れたツールであることが分かってきたからである。この非常に豊富なスペクトルウインドウに隠された情報の量は、マルチスペクトル、ハイパースペクトルイメージングに新たな可能性を開く。こうした課題に対処できる技術は存在するが、それらは非常に複雑で高価である。そのような機能を消費市場にもたらす市場ニーズは非常に強いとは言え、ローコストでCMOS適合、厳しい規制事項を課さない技術が必要である。

PbSコロイド量子ドット(CQDs)が、コスト効果があり、高性能なフォトディテクタ技術、CMOS適合技術として登場してきた。これは先頃、短波赤外(1-2 um)での成功が実証されている。とは言え、これまでのところ、基本的な限界があった。そのような量子ドットは、光のバンド間吸収に依存しており、その結果、この技術が動作可能な低いエネルギー限界、つまり材料のバンドギャップが存在する。

先頃、Nanolettersに発表された研究で、チームは、初の水銀フリー材料、PbS CQDsを使い、遠赤外域(5 um – 10 um)で光を検出できるコロイド量子ドットフォトディテクタを報告した。

実験では、研究チームは、量子ドットを確実に、恒久的に、電子的にドープする技術を使った。この高濃度ドープアプローチにより、電子移動の新たな領域が可能になった。材料のバンドギャップを超える移動に依存する代わりに、インターサブバンド遷移として知られる高励起状態の中での遷移を促進する方法を見出した。これを達成することで、中赤外および遠赤外で以前よりもはるかに低いフォトンエネルギーのフォトンを吸収することで電子を励起することができた。そのようなディテクタのスペクトル範囲が、ドットのサイズを変えることで調整できることも実証した。すなわち、量子ドットが大きければ大きいほど、赤外の吸収は遠赤外になる。

この研究の成果では、広い範囲の光をカバーする高濃度ドープPbS CQDsに基づいて、新しい固有の材料プラットフォームを報告した。これは、フォトディテクタ技術領域が現在直面している課題に対処し、解決することができる。遠赤外でこの新発見の光吸収特性と、低コストで成熟したCQD技術は、超広帯域ととともに、マルチスペクトルCMOS適合フォトディテクタに変革をも散らす可能性がある。
(詳細は、https://www.icfo.es)