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レーザ光から量子プロセッサを作る

November, 28, 2019, Sydney--オーストラリア、日本、USの国際研究チームは、レーザ光でできた大規模量子プロセッサのプロトタイプを作製した。
 10年発達中の設計に基づいて、光でできた量子コンポーネントの数を極限まで拡大できる固有の拡張性を持っている。研究成果は、Scienceに発表された。
 量子コンピュータは、難しい問題に高速ソリューションを約束するが、これを実行するには、膨大な数の量子コンポーネントが必要であり、相対的にエラーフリーでなければならない。現在の量子プロセッサは、まだ小さく、誤りやすい。この新しい設計は、光を使って代替ソリューションを提供するものであり、目的は重要な問題で最終的に古典的コンピュータを凌駕するために必要な規模を達成することである。
 「今日の量子プロセッサはすばらしいが、現在の設計が、非常に大きなサイズに拡張できるかどうかは明らかでない」とオーストラリア、RMITメルボルン大学、量子コンピュテーションと通信技術センタ(CQC2T)主席研究者、Nicoloas Menicucciはコメントしている。
 「われわれのアプローチは、初めから、極端なスケーラビリティから始まる、クラスタステート(cluster state)というプロセッサが、光でできているからである」。

光を量子プロセッサとして利用
 クラスタステートは、エンタングルした量子コンポーネントをたくさん集めたものである。これは、特別な方法で計測すると、量子コンピューテーションを実行する。
 「実世界の問題に役立つようにするには、クラスタステートは、十分に大きく、適切なエンタングルメント構造がなければならない。提案されてから、20年、すべてのこれまでのクラスタステートの証明は、これらの一つまたは両方で失敗だった。われわれのものは、両方で成功した初めてのものである」とDr Menicucciは話している。
 クラスタステートを作るために、特別設計の結晶が普通のレーザ光を、スクイーズド光と言われる一種の量子光に変換する。次に、これがミラー、ビームスプリッタ、光ファイバのネットワークにより、クラスタステートに織り込まれる。
 チームの設計は、拡張性を織り込んだ計り知れない2Dクラスタステート生成のために比較的小さな実験を可能にしている。スクイージングレベル、品質の尺度は現在、実際的な問題を解くには低すぎるが、その設計は、最先端のスクイージングレベル達成へのアプローチに適合している。
 研究チームによると、今回の成果は、光を利用した量子コンピューティングの新たな可能性を開くものである。
 「この研究では、システムで初めて、われわれは大規模クラスタステートを実現した、その構造は、汎用量子コンピュテーションを可能にするものである。われわれの実験は、この設計が実行可能、スケーラブルであることを実証している」とUNSW Canberra CQC2T主席研究者、Dr Hidehiro Yonezawaは話している。