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MIT、テラヘルツイメージングの低価格化技術を開発

May, 13, 2014, Cambridge--テラヘルツイメージングはソナーやレーダのように、たくさんの計測を比較することで画像を生成する。センサ間の距離が波長に比例するので、その数は非常に稠密でなければならない。
 マサチューセッツ工科大学(MIT)のエレクトロニクス研究所の研究チームは、テラヘルツイメージング、ミリ波イメージングに必要なセンサの数を減らせる新しい技術を開発した。数を1/10、1/100に減らして一段と実用的にする。この技術は新しい、高分解のレーダやソナーシステムの設計にも影響をあたえる。
 デジタルカメラでは、情景の小区画によって反射された光が、それに相当するセンサアレイの小区画に当たるようにレンズが入射光を集中させる。低周波数イメージングシステムでは対照的に、電磁波、ソナー、音響波でも、入力波は、センサアレイの全てに当たる。システムが、個々のセンサに届いた位相を比較することで波の発信源と強度を決める。
 センサ間の距離が入射波の半分程度であれば、計算はかなり単純であり、センサの計測を反転することになる。しかしセンサの距離が波長の半分よりも離れていると、反転によって可能な解が1つ以上生ずる。その解は、センサアレイの周囲に一定の角度で並び、「空間折り返し歪」(spatial aliasing)として知られる現象となる。
 低周波イメージングの殆どのアプリケーションでは、ディテクタ周辺の外周はどこも過疎になっている。この新しいシステムが利用するのはこの現象である。
 理論は、「一定範囲の場所の10%を対象物が占めているなら、完全な解像度を達成するためには完全アレイの10%しか必要でない」となる。
 この考えは、アレイのどの10%を保持するかを決めることでもある。10個おきのセンサが動作しないようにしておくこと、これは偽信号(エイリアシング)になるセンサ間の距離の規則性である。センサ間の距離を任意に変えることでその問題は解消されるが、センサの計測、つまり波の源泉と強度を反転させることは、極めて複雑になる。
 代わりに研究チームは、センサが2つ一組(ペア)で分布するようなディテクタを考案した。センサペア間の間隔を一定とすることでシーンの再構成の効率的計算が確実にできるようになる。しかしが、個々のセンサと次のセンサとの距離は不定のままとなる。
 研究チームは、センサ分布の最適パタンを決定するアルゴリズムも開発した。本質的に、このアルゴリズムは任意のセンサペア間の異なる距離の数を最大化する。
(詳細は、IEEE Transactions on Antennas and Propagation/MIT News Office)