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コンピュータイメージング、OCT解像度を改善

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September, 5, 2019, Durham--デューク大学バイオメディカルエンジニアは、OCTの解像度をあらゆる方向に1µmスケールまで改善する方法を考案した。その新技術は、オプティカルコヒレンス屈折トモグラフィ(OCRT)と言い、数十億ドルの医療分野OCT産業で得た心臓病学から腫瘍学までの医療画像を改善することができる。
 研究成果は、Nature Photonicsに発表された。
 「OCTの歴史上有名な問題は、奥行き解像度が、一般に横方向解像度よりも数倍優れていることである」とデューク大学工学部教授、Michael J. Fitzpatrickは指摘する。「撮った組織の層がたまたま水平であれば、それはスキャンで、輪郭がはっきりしている。しかし、身体全体で組織のライブイメージングにOCTを拡大すると、画像の横方向解像度と奥行き解像度のトレードオフを克服する方法が必要だった」。
 OCTは横方向よりも奥行き解像度のほうが非常に優れているので、これらの外観が主に平面層を含む時に最高機能となる。組織内の対象が異形の場合、その外観は不鮮明になり、光がさまざまな方向に屈折し、画像品質が低下する。
 高い横方向解像度のOCT画像を実現しようとする以前の計画は、ホログラフィに依存していた。対象から反射される複雑な電磁場を苦労して計測することになる。これは実証されたが、そのアプローチは計測の全体でサンプルとイメージング装置がナノメートルスケールまで完全に静止していることが必要。
 「これはラボ設定では達成された。しかし、生体組織は、生きており、呼吸し、流れ、変化するので、達成は極めて困難である」とデューク大学医学部、眼科のJoseph Izattは言う。
 新しい論文では、研究チームは異なるアプローチを採用した。ホログラフィに依存するのではなく、多角的に撮ったOCT画像を統合して深さ解像度を横方向解像度に拡張した。個々のOCT画像は、細胞や他の組織成分の異形による光の屈折のためにゆがめられる。最終画像を編集するとき、これらの変化したパスを補償するために研究チームは、光がサンプルを透過する際に光がどのように曲がるかを正確にモデル化する必要があった。
 このコンピュータ技巧を完遂するために、研究チームは、Sina Farsiu(Paul Ruffin Scarborough Associate Professor of Engineering at Duke)に頼った。同氏は、マシンラーニングツールを使ってヘルスケアアプリケーション向け画像改善で長い経験を持つ。
 Farsiuとともに、Zhouは、「勾配ベース最適化」を使い、多角画像を基にした、組織のさまざまな領域の屈折率を推論する方法を開発した。このアプローチは、所与の特性、ここでは屈折率が、より優れた画像を生み出すように、調整が必要な方向を確定する。何度も繰り返した後、そのアルゴリズムは、光の歪みを最高度に補償する組織の屈折率マップを作成する。その方法は、Googleがディープラーニングアプリケーション向けに作成した人気ソフトウエアライブラリの一つ、TensorFlowを使って実装された。
 この概念実証実験のために、Zhouは、マウスの膀胱、気管などの組織サンプルを採ってチューブに入れ、OCTスキャナの下でサンプルを360°回転させた。アルゴリズムは、各サンプルの屈折率マップ作成に成功し、スキャンの横方向解像度を300%以上改善した。同時に、最終画像の背景雑音も減らした。研究は、すでに身体から除去されたサンプルを使ったが、研究チームは、OCRTが生きた生物にも適用できると考えている。
 「組織を回転させるのではなく、この技術のために開発したスキャニングプローブは、組織表面でビーム角度を回転させることができる」とZhouは話している。
 Zhouは、180°以下のスイープ技術で角膜スキャンがどの程度改善されるかを調べており、その結果は有望視されている。もしうまく行くと、その技術は多くの医療イメージングニーズにとって恩恵となる。
 「目で、従来の流出組織を高解像度画像で撮ることは眼科では念願の目標である」と目の房水排水システムに言及しながら、Farsiuは話している。「このタイプの横方向解像度のOCTスキャナは、早期診断に非常に重要である。また、緑内障で新たな治療標的を見つける上でも重要である」。
 「OCTは、生きた人の網膜の非侵襲的微視的イメージングを進歩させることで眼科診断を変革した。OCRTなど、さらなる進歩で、この技術の強い影響が付加的な眼科診断だけでなく、身体を通じて、内視鏡、カテーテル、気管支鏡でアクセスできる組織の病理学的イメージングに拡大されることになる」とIzattは話している。