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光データ伝送改善を狙って後方散乱をカット

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August, 20, 2019, Champaign--イリノイ大学の研究チームは、光データ伝送中のエネルギー損失を減らすために不適合光波の向き変える方法を見出した。研究では、チームは光波と音波の相互作用を利用して、材料欠陥から光散乱を抑制する。これにより、光通信が改善される。研究成果は、Opticaに発表された。
 光波は、障害に直面すると散乱する。それが窓の亀裂でも光ファイバケーブルの微小欠陥でも同じである。その光の多くは、システムから散乱するが、一部は光源に戻り、後方散乱と言われている。
 機械科学・工学教授、Gaurav Bahlは、「完全な材料は存在しない。われわれが利用するどんな設計技術の材料にも、常にいくぶんかの不完全性、ランダム性が材料には存在する」と同氏は話している。
 不要な後方散乱は、一定の磁気特性をもつ特殊な材料で抑制できるとする研究は以前にあった。しかし、これらは、シリコン、石英ガラスなどの透明、非磁気材料を利用する今日の光システムには実用的ではない。
 研究では、チームは、後方散乱を制御するために、磁界の代わりに、光波と音波の相互作用を利用する。
 光波は、方向に関係なく、ほとんどの材料で、前方にも後方にも、同じ速度で進む。「しかし、方向性感度があるオプトメカニカル相互作用を利用することにより、、その対称性を破壊し、効果的に後方散乱を停止することができる。それは、一方向から見える鏡のようなものである。光波の後方伝搬をブロックすることで、散乱体に直面しても行き場がなくなるので、前方に進むしかなくなる」と同氏は説明している。
 この現象を証明するために、チームは光波を、石英ガラスでできた微小球、マイクロ共振器に送り込んだ。内部では、光は円形パスを進み、繰り返し石英の欠陥に直面し、後方散乱効果を増幅する。チームは次に、後方だけに光と音の相互作用を引きこむために第2のレーザビーム使い、光の後方散乱の可能性をブロックした。共振器の欠陥にも関わらず、失われていたはずのエネルギーは前方に進み続ける。
 後方散乱を止められることは大きな意味があるが、光の一部は、まだ側方に散乱する。これは、研究者が制御できないものである。「したがって、この段階では非常にわずかであり、ナローバンドでのみ有用である。しかし、石英など一般的な材料で後方散乱を抑制できることを確認しただけで、より優れた光ファイバケーブルを作れることを示唆している。また、旧い、損傷のあるケーブルで、世界の海底に存在し、すでにサービスに利用されているファイバを、置き換えることなく使い続けることさえできる」と同氏は話している。
 光ファイバケーブルで実験を行うことが、この現象が光ファイバ通信で必要とされる帯域で可能であることを示す次のステップである。
 「われわれが開発した原理は、すでに以前からあった。ここでの実際の話は、散乱が、光機械相互作用を使うことで、シンプルなガラスなどで抑制できることである。このような相互作用は、あらゆる光学材料で利用できる。
(詳細は、https://news.illinois.edu)