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より効率的な太陽電池実現に新材料

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July, 17, 2019, Florida--フロリダ州立大学の研究チームは、太陽電池が赤外光を吸収し利用する画期的な方法を開発している。赤外光は、一般には太陽電池技術では利用できない。
 研究成果は、Matter and the Journal of Physical Chemistry Lettersに発表された。

「われれは太陽電池の効率を最適化することに取り組んでいる。主要な原動力は、ソーラアプリケーション向けのこのプロセスの最適化である」と化学・生体化学准教授、Lea Nienhausは話している。

同氏とポスドク研究者、Sarah Wiegholdは、太陽電池のフォトンアップコンバージョンプロセスを容易にするための新しいアプローチを考案した。フォトンアップコンバージョンでは、2つの低エネルギーフォトンが、可視光を放出する1つの高エネルギーフォトンに変換される。

一般に,これらのデバイスは金属有機分子あるいは半導体ナノ結晶を利用して、フォトンコンバージョンを敏感にするが、研究チームは薄膜ハロゲン化鉛ペロブスカイトを利用した。これは有望な太陽電池材料である。ペロブスカイトは、ルブレンと言う炭化水素と結合し、アップコンバージョン光を放出する。

このプロセスの背後にあるアイデアは、赤外光を検出し利用できる、より効率的な太陽電池を作ることである。赤外スペクトルの波長は、一般的な太陽電池の電子を励起するために必要なエネルギーを持たず、したがって有用なエネルギー源ではない。

「つまり、太陽電池で吸収できない大量のソーラスペクトルが存在する。われわれは、赤外光を可視光に、太陽電池で使える波長にしたい」とNienhausは言う。

デバイスの効率を改善するために,研究チームは、適切な厚さのペロブスカイト膜を造る必要があった。チームは、20、30、100、380nm厚の膜をテストした。厚さが30nm以上では、アップコンバージョンプロセスは、太陽条件下で効率的になった。

「デバイス性能を最適化するために、われわれはアブソーバ、ハロゲン化鉛ペロブスカイトの厚さを変えた」。

研究チームは実験を続け、異常なデバイス挙動を発見した。

デバイスは赤外光を可視光に変換するが、ペロブスカイトは、アップコンバージョンで生成した可視光の一部を再吸収もしていた。

Wiegholdは、「ペロフスカイト膜の利用にはトレードオフがある。ルブレンで作られる可視光が多いことは、デバイスから、より多くの光が出てくることを意味しない、これは直観で分かるものではない」と話している。
 結果として、デバイスへの赤外光入力 vs.可視光出力比の最適化には、より詳細なデバイス設計が必要になる。
(詳細は、https://news.fsu.edu)