All about Photonics

Science/Research 詳細

オンチップ信号処理につながるソリトンダイナミクス

cq5dam.web.1280.1280 (1)

July, 16, 2019, Sydney--シドニーナノ研究所(Sydney Nano Institute)とシンガポール技術・設計大学(Singapore University of Technology and Design)との提携により初めて、光の全体的な「形状」を保持するシリコンチップ上で光波、フォトニック情報を操作した。
 津波は大洋を横断する長距離でその波形を維持し、発生源から離れてパワーと「情報」を保持する。
 通信科学では、大陸間に及ぶ光ファイバで情報を保持することは極めて重要である。理想的には、情報の光パケット波形を変えることなく、発生源とファイバ端での受信でシリコンチップの光の操作を必要とする。これまで、科学者は、それができなかった。
 そのような波は、ツナミでも情報の光パケットでも、「ソリトン」として知られている。シドニーとシンガポールの研究チームは、超シリコンリッチナイトライド(USRN)デバイスで「ソリトン」動力学を初めて観察した。デバイスは、Sydney Nanoの光学的特性評価ツールを用いてシンガポールで作製した。
 この研究成果は、Laser & Photonics Reviewsに発表された。ほとんどの通信インフラストラクチャは、依然として、情報の伝搬と受信ではシリコンベースのデバイスに依存しているので、この成果は重要である。チップ上でソリトンを操作することは、光通信デバイスやインフラストラクチャの高速化を可能にすることになる。
 Ezgi Sahin、SUTDのPhD学生は、シドニー大学のDr AndreaBlanco Redondoとともに実験を行った。
 「複雑なソリトン動力学の観察は、パルス圧縮を超えて、広範なオンチップ光信号処理アプリケーションに道を開く」とSahinは話している。
 Sydney Nanoディレクタ、研究の共著者、Ben Eggleton教授は、「これはソリトン物理学の分野と基礎技術の重要性の大きなブレイクスルーである」とコメントしている。
 「この手のソリトン、いわゆるブラッグソリトンは約20年前に光ファイバで初めて観察されたが、チップでは報告がなかった。チップが基づいている標準的なシリコン材料が伝搬を制約するからである。この実証は、この制約を回避するようにわずかに改良されたシリコンをベースにしており、チップ上の光の操作に全く新しいパラダイムを開く」(Ben Eggleton教授)。
 SUTDで論文の共同著者、Dawn Tan教授は、「われわれは確信をもってブラッグソリトン形成と分裂を実証することができた。これは、われわれが使用した独自のブラッググレーティング設計と超シリコンリッチナイトライド材料プラットフォーム(URRN)によるものである。このプラットフォームが、以前のデモンストレーションを損なった情報損失を防ぐのである」と説明している。
 ソリトンは、形状を変えずに伝搬するパルスであり、衝突や相互干渉があっても存続する。
 シリコンベースのこの種のブラッググレーティングデバイスは、CMOS処理との適合性を保証するものである。ソリトン圧縮や分裂を確実に始められるので、以前に必要とされていたよりも長いパルスで超高速現象が可能になる。チップスケールの微小化は、コンパクトさを必須とするアプリケーションで、光信号処理のスピードを高める。
(詳細は、https://sydney.edu.au)