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国際標準化機関ITU-Tで初の量子鍵配送ネットワークに係る勧告が成立

July, 8, 2019, 東京--情報通信研究機構(NICT)、日本電気株式会社(NEC)、株式会社東芝が開発してきた量子鍵配送ネットワーク技術の成果を盛り込んだ国際標準勧告が、2019年6月28日ジュネーブにて開催されたITU-T SG13会合にて、Y.3800(量子鍵配送をサポートするネットワークのフレームワーク)勧告として承認された。
 この勧告は、量子鍵配送ネットワークの要求条件、及び基本構成と機能などを規定する勧告で、量子鍵配送関連として初の国際標準化に向けたITU-T勧告となる。ITU-Tでの国際標準の成立により、量子鍵配送を用いた秘匿性の高い暗号通信サービスの実用化と普及が加速すると期待される。
 ITU-TにおけるQKD標準化活動では、SG13においてネットワーク基本構成に関する事項、SG17においてネットワークセキュリティに関する事項の国際標準化が進められている。今回のY.3800の完成により、関連する標準化の検討が加速し、QKD関連の製品開発やサービス創出に向けて企業が投資しやすくなり、ユーザーは導入を検討しやすくなると期待される。NICT、NEC、東芝は、「引き続き国内外の企業や研究機関と協力し、QKD技術の研究開発と標準化に取り組みながら、安全・安心な社会の実現に貢献していく」とコメントしている。
(詳細は、https://www.nict.go.jp)