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よく知られた染料を使って脳アミロイドプラークを見る

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June, 14, 2019, Tucson--アミロイドプラークは、以前からアルツハイマ病を促進するメカニズムと密接に関連つげられていたが、アミロイドタンパク質がどのように結集するかを可視化することは引き続き難しい。ナノメートルサイズのアミロイド原繊維は、最高の光学顕微鏡が解像できるサイズの数分の1に過ぎない。最も旧い試薬の一つをアミロイドのために再利用する新しい研究が、原繊維結集の仕方のはっきりした画像に役立つと見られている。

 ワシントン大学セントルイス(Washington University in St. Louis)とUKのユニバーシティカレッジロンドン(University College London)の研究チームは、化学的変更を加えることなくアミロイドのナノスケールイメージングの新しいアプローチを実証した。チオフラベンT(ThT)、1世紀位前からアミロイドに触れると蛍光を発することが知られている染料を使い、新しい方法により研究チームは、アミロイドプラーク、Aβ42とAβ40に関連するタンパク質を以前よりも精密に可視化することができる。

 研究チームの共著者、Kevin Speharは、OSAバイオフォトニクス会議:ライフサイエンスにおけるオプティクスで「TチオフラベンTの一過性結合を使う長期スーパー解像度イメージング」”Long-Term Super-Resolution Imaging of Amyloid Structures Using Transient Binding of Thioflavin T,”のタイトルで講演した。

 アミロイド集合体のナノスケール解像度画像生成だけでなく、グループの技術により研究者は、どのように原繊維が増大し、その環境に反応するかをスナップショットできる。そのアプローチをテストして、チームは、アンチ・アミロイド薬剤が働いているところを初めて直接見ることができた。

「アミロイドに関しては、われわれはモノマ、オリゴマ、フィブリル(原繊維)という言葉を使っているが、それらの言葉は、以前に見ることができたモノを実際に表現しているだけである。それらの言葉は、その複雑で、変化するこれらの分子の集合体の正確な記述には全く不十分である」と論文の著者、Dr. Matthew Lewはコメントしている。

 論文のもう一人の著者、Dr. Jan Bieschkeによると、アミロイド集合体攻撃法は、アルツハイマ病の優れた提案治療として際立つが、アミロイド集合体の研究は研究者にとって他に類を見ない問題である。

 免疫蛍光技術は、生物学の他の多くの領域で用いられており、生体分子ラベリングに抗体を利用するが、不十分である。それらがアミロイドの集合傾向を破壊し、アルツハイマを促進するメカニズムの正確な研究ができなくするからである。

 低温電子顕微鏡は、優れた解像度であるが、アミロイドサンプルの単一の静的なスナップショットを提供できるだけである。
 「薬剤がアミロイド集合体に影響を与える方法を理解したいなら、またそれがアミロイド繊維をどのように分解するかを理解したいなら、時間を延長してアミロイド動力学をイメージングすることが極めて重要である」とBieschkeは指摘する。

 こうした問題に取り組むために,チームは、長い歴史のある蛍光色素分子、ThTに注意を向けた。これは、まず共有結合でそれに結びつかず,アミロイドの変更は回避される。それどころか、各ThT分子は、アミロイドと接触している間、15µs程度蛍光を発する。
 Lewによると、結果は、イメージングにおけるThTの役割は、単純な蛍光色素分子から、アミロイド分子センサへのシフトである。

「これは文字通り、1nmから2nm分子のセンサとしての利用である。このコンセプトは、生体医療イメージングや化学イメージングアプリケーションに一般化される可能性が大きい」と同氏は話している。

 チームは、そのイメージングにより、Bieschkeらが発見したモデル凝集性薬剤、没食子酸エピガロカテキン導入でAβ42線維がどのように改造、解消されるかを観察した。

「ほとんどの蛍光顕微鏡技術は、特にナノメートル解像度を狙うとき、試薬と条件の慎重な微調整を必要とする。われわれのアプローチは、その複雑さの多くを取り除いた。同時に、従来の抗体に基づいたアプローチと組み合わせて多重イメージングを可能にする」とBieschkeは言う。
 同氏は、その技術を改善して、アルツハイマ病や関連の病気でアミロイド構造の広がり方を見ることができるようにしたいと考えている。また、Lewは、将来、分子センサとしてThTのような分子を使う多くの用途があると見ている。パーキンソン病の研究から糖尿病、材料科学までの範囲である。