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新しい原理のテラヘルツ検出器を開発

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May, 14, 2019, 東京--東京大学 生産技術研究所 光物質ナノ科学研究センターの平川一彦教授、張亜特任助教(現:東京農工大学 准教授)を中心とする研究グループは、微小機械共振器構造(MEMS)を用いて、室温で高速・高感度にテラヘルツ電磁波を検出する新しい動作原理の素子を開発した。
 テラヘルツ電磁波は、化学・創薬・医学などにおける分光計測やメージングなどへの応用に適しているが、これまで室温で動作する高感度で高速なテラヘルツ検出素子がなかった。
 半導体微細加工法を用いて作製されるMEMS技術を用いると、微小な半導体の機械共振器構造を作製することができる。この構造は、室温でも非常にシャープな共振周波数を持つことが知られている。さらに、その共振周波数は、構造の一部が熱膨張すると、敏感に変化する。
 研究チームは、ガリウムヒ素(GaAs)系半導体で作製した長さ約100µm程度のMEMS両持ち梁共振器構造に、テラヘルツ電磁波を入射させ、電磁波の吸収による発熱に起因する共振周波数の変化を読み出すことを動作原理とする、新しい高感度・高速なテラヘルツ検出器を開発した。
 この素子は、室温で動作し、従来の室温で動作する検出器と同等の感度を持ちつつ、従来の素子よりも100倍以上高速なテラヘルツ検出ができる。簡便で高速なテラヘルツ検出器が実現されることにより、安全分野のイメージングや医薬の開発など、化学、薬学、医学、物理学などの基礎研究から応用に関わる広い分野に大きな発展をもたらすと期待される。
 研究成果は、Journal of Applied Physicsに発表された。
(詳細は、https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/)