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HyperVIEWプラットフォーム、細胞レベルイメージング

November, 12, 2018, Irvine--レーザコンプトン技術ベースのX線システムの開発企業、Lumitron Technologiesは、同社のHyperVIEWイメージングシステム、高忠実イメージングおよび低線量X線撮影が新たに可能になると考えている。
 ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)で開発され、Lumitronが独占商業開発権を持つ、独自のX線とレーザ技術を使うことで、同社は、その新しいプラットフォームが、真のセラノティクスに道を拓くと考えている。セラノティクスでは、同じ処置に医療診断と治療を統合している。
 過去10年、LLNLで磨かれたレーザコンプトン光源技術は、電子ビームとレーザビームの衝突により、単一エネルギーのガンマ線とX線を生成する。LLNLによると、レーザコンプトン光源パルスのピーク輝度は、あらゆる人工光源を15ケタ上回り、100万電子ボルト(MeV)スペクトル範囲である。カルフォルニア大学アーバイン(University of California, Irvine)にあるLumitronは、大型シンクロトロンに匹敵する、単色100keVクラスのX線出力のレーザコンプトン光源を開発する意向である。これらのX線の性質により、現在のイメージング法や治療法と比較すると、結果としてのX線写真の解像度が強化され、被曝量が大幅に減少する。
 レーザコンプトンコンセプトをよりコンパクトにし、高流量動作を可能にする一大開発は、いずれも臨床設定における潜在的実行可能性にとっても重要であり、高勾配Xバによりンド高周波加速器技術であった。これは、LLNLとSLAC国立加速器研究所が共同開発した技術である。 
 前LLNL、Lumitron CTO、Chris Bartyは、「Lumitronで開発された技術は、LLNLの広範な一連のIPに基づいており、80%はわたしの発明、20%が共同開発である」とコメントしている。「レーザコンプトン源を市場に出す試みは2回あったが、いずれもLLNL技術に基づいたものではない。LLNL技術は、サイズ縮小、性能向上、高エネルギーフォトン出力への拡張で飛躍的な利点がある」。
 従来の臨床X線システムは、Wilhelm Röntgenが実証した独創的技術と同じ原理で動作する。ここでは、エネルギー電子のビームは、金属アノードに集束してX線を生成する。結果としてのX線画像の解像度は、電子スポットサイズに依存する。一般には500µm以上であるが、600~800µmが効果的なX線スポットサイズである。
 「レーザコンプトン光源では、効果的なX線スポットサイズは、電子ビームとの衝突で使用されるレーザの焦点サイズによって設定される。原理的には、光の波長と同じである」とBartyは言う。
 「レーザコンプトン光源からの軸上放射線の単色性は標準X線光システムと互換性があるので、レーザコンプトン光源と適切なX線オプティクスの結合により、100nm程度の効果的なX線スポットサイズが実現される」。
 これは次にイメージングと治療に新たな道を開く、二色サブトラクションイメージング技術も含まれる。サンプルに導入された造影剤の原子で最深部電子のイオン化に必要なエネルギーのわずかに上や下でX線画像が撮れるなら、2つの画像を減算すると、主に造影剤そのものの画像が得られる。X線吸収の断面は、ほぼこの閾値、k-edgeの規模で変化する。つまり、必要とされるX線量は、それに応じて低減可能である。
 「われわれが達成しようとしている多くのアプリケーションと同様、このサブトラクションイメージング技術は、サイクロトロンですでに実証されているが、患者をサイクロトロンに連れて行くのは実行不能であるため、商用化は追求していない」とBarty。「しかし1990年代後半、スタンフォードシンクロトロン放射研究所は、k-edge減算イメージングを使うと、心臓周囲の血管を調べる冠動脈造影法が、飛躍的低線量でヨウ素造影剤により実行できることを実証した。これと、標準の冠動脈造影法とを比較すると、標準法は患者を一度に1年のX線量に露光する。
 現在、同社は初のHyperVIEWユニットの顧客への供給を24ヶ月と見込んでいる、アプリケーションは作業用イメージングまたはセキュリティ、同時に医療用も開発することになっている。
(詳細は、www.lumitronxrays.com)