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テキサス大学、収縮光線で細胞培養を縮小

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November, 8, 2018, Austin--テキサス大学オースチン校の化学者チームは、ジェルのような材料のサイズと形状を変えることができる実際の収縮光線を開発した。その材料上では、人やバクテリアの細胞を成長させることができる。この新しいツールは、代替組織やインプラント用器官の成長法を解明しようとしているバイオメディカル研究者にとって期待できる技術である。
 「細胞が、その環境の物理的特性に反応する仕方を理解するために、動的に形状を再形成できる材料がほしい」と化学教授、Jason B. Shearは言う。
 研究成果は、American Chemical Societyの雑誌にオンライン掲載された。
 細胞の成長のために使われる材料、基板を縮めることの真価は、それを小さくするというよりも、表面の形状と組織を選択的に変えるところにある。材料の内部のどの部分が縮小するかを精密に制御することによって、研究者は、表面に,突起、溝、リングなどの特殊3D特性を造ることができる。
 研究者は、時間経過とともに表面特性の位置と形状も変えることができる、例えば山をモグラ塚に、あるいは陥没穴にし、一般に細胞が生きて、成長し、動く環境の動的性質を真似ることができる。
 収縮光線は、基板内部の微小点に集光できる近赤外レーザ。基板は、ジェロー(Jell-O)のように見え、振る舞う。顕微レベルでは、山積みの糸のように、乱れて絡み合ったタンパク質でできている。レーザが基板内の一点に集光すると、新しい化学結合がタンパク質間に形成され、それらをしっかりと引き締める。下から引っ張るように、表面形状も変える変化である。研究者は、基板内の一連の点にレーザを掃引し、標的細胞に関してどんな場所でも所望の表面凹凸を造ることができる。
 生きた細胞の基板を変化させる他の方法と異なり、UTオースチンの収縮光線は、過熱せず、表面を化学的に変えず、生きた細胞に損傷を与えたり、細胞を表面から剥がしたりすることはない。また、オンデマンドでどんな3Dパタンでも形成でき、同時に顕微鏡で細胞の成長を見ることができる。
 研究チームの当座の計画は、そのツールを使って、細胞の成長と移動に関する基礎化学的問題、様々な将来の医療アプリケーションを可能にする取り組みを研究すること。例えば、そのアプローチは、創傷治癒、あるいは神経再生を促進する材料や処置につながるかも知れない、あるいは皮膚や心臓弁など、置き換え組織の成長とインプラント成功に役立つかも知れない。
 他に可能性のあるアプリケーションは、表面トポロジーが、微生物膜という危険な細菌コロニーの形成にどのように影響を与えるかについての基礎研究がある。微生物膜は、医療機器に形成され、処置が困難な感染につながる細菌マットであり、米国では年に100万人の人々が病院発生の感染にかかっている。研究者が、どんなトポグラフィック特性が微生物膜の形成を阻止するかについて理解を向上させることができれば、また時間とともに変化する特徴が、そのプロセスにどのように影響を与えるかを理解すれば、医療機器のためのコーティングを開発できるかも知れない。
(詳細は、https://news.utexas.edu)