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Caltech、世界最小光ジャイロスコープ開発

November, 2, 2018, Pasadena--ジャイロスコープは、車輌、ドローン、ウエアラブルやハンドヘルド電子機器が3D空間でそれ自身の方向を知るために役立つ。日々われわれが依存しているあらゆる技術で、それらはありふれたものになっている。
 元々、ジャイロスコープは入れ子型の輪の組合せからなり、それぞれが異なる軸で回転する。しかし、携帯電話時代となり、MEMSが現代版技術となるが、これは感度に制限がある。したがって光ジャイロスコープが開発された。同様の機能を果たすが、可動部分はなく、サニャック効果という現象を使い正確さが向上している。
 サニャック効果は、フランス人の物理学者、Georges Sagnacに因んだもので、アインシュタインの一般相対性理論に根ざす光学現象である。その実現には、光ビームを2つに分け、そのツインビームが円形経路で反対側に伝搬する。次に同じ光ディテクタに入る。光は一定速度で伝搬し、したがってデバイスを回転することで、つまり光が伝搬する経路で、2つのビームの一方が他方よりも先にディテクタに到着する。各方向軸のループで、この位相シフト、つまりサニャック効果が、方向の判断に使用できる。
 現在利用可能な最小の高性能光ジャイロは、ゴルフボールよりも大きく、多くの可搬アプリケーションには適していない。光ジャイロスコープがどんどん小型化するにつれて、サニャック効果を捉える信号も小さくなる。つまり、ジャイロスコープが動きを検出することがますます困難になる。今日まで、これが光ジャイロスコープの微小化を阻止してきた。
 Caltechの研究チームは、現在の最先端のデバイスよりも500倍小型化した新しい光ジャイロスコープを開発した。それでも、その新しいデバイスは、30倍小さな位相シフトを検出できる。研究成果は、Nature Photonicsに発表されている。

新しいデバイスの動作
Ali Hajimiri研究室の新しいジャイロスコープは、新技術”reciprocal sensitivity enhancement.”という新技術を使うことで、このパフォーマンス向上を達成している。ここでは、”reciprocal”は、ジャイロスコープ内の両方の光ビームに同じように影響することを意味する。サニャック効果は、反対方向に伝搬する、2つのビーム間の差を検出するので、非相反的と考えられている。ジャイロスコープ内では、光は微小光導波路を伝搬する。光経路の不完全性(例えば、熱変動、光散乱)や外部の干渉はビームに影響を及ぼし、これは両方のビームに同じように作用する。
 研究チームは、サニャック効果からの信号を完全なままにしながら、この相反ノイズを取り除く方法を見いだした。相反感度向上は、システムのSNRを改善し、光ジャイロを米粒よりも小さなチップに組み込み可能にしたのである。