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Science/Research 詳細

通常のカメラを用いた物体表層における光伝搬の可視化に成功

September, 12, 2018, 京都--京都大学大学院情報学研究科・知能情報学専攻 西野恒 教授は、国立情報学研究所コンテンツ科学研究系佐藤いまり教授らのグループと共同で、通常のカメラを可視光下で用いて、物体表層における光の伝搬過程を可視化する手法を世界に先駆けて開発した。
 開発した手法の特徴は、従来法のように光の伝搬を時間分解するのではなく、物体表面の外観そのものを、新たに導出した光源の照射方法を用いて、観察する光の伝搬距離を(仮想的に)制御することによって、その伝搬過程を復元することにある。リングライト(円環状の光源)の半径を変えつつ物体表面を撮像し、それぞれの半径に対応する画像同士の差分を取ることにより、光の伝搬距離がそれらの半径の差に限定された画像列を生成できることを示した。また、このようにして得られた画像列が、物体表層内で光が拡散・散乱しつつ伝搬する様子を捉えていることを、果物や人間の皮膚を含めた様々な自然物体を用いて実証した。さらに、これらの復元された伝搬画像から、物体表層内の異なる深さにおける色を特定できることも示した。
 研究成果は、簡便に実装できることから、実用的な物体表層の解析手段として役立つと考えられる。とりわけ、表層構造解析などを通した危険物等の非破壊検査のみならず、人間の皮膚や内臓表面などの状態や病変を容易に可視化して解析できるため、医療や美容に幅広く応用することが期待できる。
 開発成果は、コンピュータビジョンの国際会議「European Conference on Computer Vision」において発表される。またこの手法は、現在特許申請中である。
(詳細は、https://www.nii.ac.jp)