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ICFOとイエール大学、グラフェン赤外ディテクタを開発

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September, 12, 2018, New Haven--ICFOとイエール大(Yale University)の研究では、グラフェンを使って、室温で中赤外光を効率よく検出し、それを電気に変換する。
 赤外光の検出は、分光学、材料加工、化学、生体分子、環境センシング、セキュリティや産業における現状のアプリケーションで非常に重要である。中赤外スペクトル領域は、多くの分子の特徴的な振動遷移や回転励起が起こる領域だからである。
 有害分子、生体分子を含め、多くの分子のこのような振動および回転励起は、正に中赤外の周波数を持ち、これらはこの特殊なスペクトル範囲の光吸収を観察することでモニタできる。しかし、現在利用できる中赤外ディテクタは、超伝導素子を組み込んだ、極低温で動作するものを除けば、非常に効率が悪い。したがって、この低温制約が、コンシューマ製品向けのデバイスに組み込まれたディテクタの大きな弱点になっている。
 Nature Materialsに発表された研究成果で、ICFOの研究者は、イエール大学の研究グループとともに、室温動作の非常に効率的な中赤外ディテクタの作製にグラフェンが使えることを実証した。
 グラフェンプラズモンとして知られる、このカーボン材料における電荷キャリアの集団振動は、中赤外光と、それらプラズモンとの共鳴結合を利用することで、感度を高められることを研究チームは提案し、実験的に実証することができた。
 研究では、チームは、擬似-1Dグラフェンナノリボンで接続された、グラフェンディスクプラズモン共振器で構成されたCVDグラフェンウエファ上にデバイスを作製した。次に、中赤外光をそのセットアップに照射し、グラフェン共振器とナノリボンの表面でIRプラズモンの励起と高室温吸収を観察した。また、グラフェンナノ構造により、電気応答に変換される光吸収が、プラズモン吸収レベルに強くリンクしていることも観察した。応答時間は、GHz速度の検出を可能にする。
 この研究の成果は、グラフェンが、室温で光を電気信号に超高速変換するための優れた材料であることを証明している。このことは、高分解能中赤外カメラ、高密度集積赤外光回路への組み込みを容易にする超小型ディテクタの開発のきっかけとなる。狙いは、セキュリティ、バイオアッセイ、空気品質モニタリングなどである。