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Science/Research 詳細

量子情報処理向けに作られた多目的シリコンチップ

September, 6, 2018, Bristol--ブリストル大学をリーダーとする国際研究チームは、光を使って多機能量子プロセッサを実行できることを実証した。
 この小さなデバイスは、様々な量子情報実験実施のための科学的ツールとして使える。同時に、大規模な製造プロセスからフル機能量子コンピュータが設計される方法を示している。
 研究チームは、導波路でフォトンをガイドしてqubitsをエンコードするシリコンチップを設計することにより、これを実現した。
 コンピューティングパワーの次のステップとして量子コンピュータを開発し、コンピュータが解決できるタスクの種類を増やす国際的な取り組みが拡大している。
 今日のデスクトップコンピュータ、スーパーコンピュータ、スマートフォンでは、ビットは“1” または “0”のいずれかの形を取り、これが全てのコンピュータの基本的構成要素である。
 量子コンピュータは、その代わりに、0と1の状態の重ね合わせ状態を可能とするqubitsをベースにしている。マルチビットは、量子エンタングルメントという特殊な方法でのリンクも可能である。これら2つの量子物理学的特性が量子コンピュータに力を与える。
 1つの課題は、現在の多様なアプリケーションを走らせるように再プログラムできるコンピュータと同様に、多様なタスクをこなせるように再プログラム可能な量子コンピュータプロセッサの作製である。
 第二の課題は、多くのパーツが非常に高品質で、究極的にローコストで造れるように量子コンピュータを造る方法である。
 ブリストルのチームは、大規模に量子コンピューティングコンポーネントを造る方法としてシリコン光チップを使った。現状の成果は、Nature Photonicsに示しているが、単一の集積チップに2つのqubits情報を完全制御できることを実証した。2つのqubitsで達成できるどんなタスクもそのデバイスでプログラムし実現できることを意味する。
 「われわれが実証したことは、多くの異なるタスクを行えるプログラム可能なマシーンである」と論文の主筆、Dr Xiaogang Qiangは説明している。
「それは、2 qubitsでしか動作しないので、非常に初歩的なプロセッサだ。この技術で有用なコンピューテーションができるまでの道のりは長い。しかし、素晴らしいことは、量子コンピュータを造るために使えるシリコンフォトニクスの多様な特性を1つのデバイス2統合したことでる」。
 「われわれは、シリコンは有望な材料であると考えている。マイクロエレクトロニクスやフォトニクス産業のためのシリコン開発にすでに巨額投資されているからである。ブリストルで開発された様々な種類のデバイス、例えばここに示したものは、量子デバイスの設計が成功可能であることを示している。われわれは、約100000の異なる再プログラム設定を使い、いくつかの多様な量子情報実験を行うために、このデバイスを利用した」とDr Jonathan Matthewsは説明している。
(詳細は、http://www.bristol.ac.uk)