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国際研究チーム、光の運動量理解を進める

August, 30, 2018, Okanagan--光が運動量を持つという考えは新しくないが、光と物質の相互作用の仕方の正確な性質は、150年近く謎のままである。UBCオカナガンキャンパスの新しい研究が先頃Nature Communicationsに発表された。それは、光の最大の秘密の一つに対する手がかりを明らかにした可能性がある。
 ドイツの天文学者、数学者、ヨハネスケプラーが1619年に、彗星の尾が常に太陽から遠ざかる方向を指すのは太陽光からの圧力が関係していることを初めて示唆した。1873年、ジェイムス・クラーク・マクスウエルが、この放射圧は、光そのものの電子場に存在する運動量によるものであると予言した。
 光のフォトン間の極めて弱い相互作用を計測するために、研究チームは特殊ミラーを作製した。これは、音響センサと、干渉と背景雑音を最小に保つための熱遮蔽を備えている。次に研究チームは、レーザパルスをミラーに照射し、音響センサを使って、池のさざ波のようにミラー面を動く弾性波を検出した。
 「フォトンの運動量を直接計測できないので、われわれのアプローチは、ミラーを通り抜ける弾性波を‘listening’(聞く)ことによってミラーに対するフォトンの運動量の効果を検出した」とKenneth Chau教授は言う。「われわれはその波の特徴追跡することで、光パルスそのものに存在する運動量を追跡することができた。これは、究極的に光の運動量が材料内にどのように存在するかの定義とモデル化に扉を開く」と同氏は説明している。
 その発見は、光の基本的な理解を前進させる上で重要であるが、Chauは放射圧の実用的なアプリケーションを指摘している。
 「太陽帆パワーで遠くの星に進む星間ヨットを考える。あるいは、地球では、微小機械を組み立てる光ピンセットの開発を考える。われわれはまだ、そこに来ていないが、この研究の発見は、重要な一歩である。次にどうなるかが楽しみだ」と同氏はコメントしている。
(詳細は、https://www.ubc.ca/)