コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

ロボットの表面、ウエアラブルデバイスの高性能化に光圧力検出器

August, 17, 2018, Washington--光ベースの新しい圧力センサにより高感度人工皮膚が実現可能になる。これによってロボットは、優れた触覚を持ち、人間にとってはウエアラブル血圧計になり、光学的に透明なタッチスクリーンやデバイスが実現する。
 Optics Lettersに発表された研究成果で研究者たちは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、一般的なタイプのシリコーンに埋め込まれた微小トネルを通過する光の量的変化を分析することで圧力を検出するセンサを報告している。柔軟で透明なそのデバイスは、わずかな圧力ににさえ反応し、従来タイプのセンサと比べて、故障が少ない。また、大きな表面積に埋込センサを組み込むことが可能である。
 「シリコーンシートは、ディスプレイパネルに配置してタッチスクリーンとなり、あるいはロボットの表面に触覚相互作用する人工皮膚層のように巻くことも可能だ。PDMSは、非常によく知られた生体適合、無毒の材料であることを考慮すると、そのセンサシートは、人の身体表面あるいは内部に適用して、血圧をモニタすることもできる」とサウスコリア(韓国)、電子・通信研究所、Suntak Parkは説明している。
 曲面で圧力分布を計測することは、航空力学や流体力学のような研究分野では重要である。航空機、自動車、船舶などの表面で圧力関連の効果の研究にそのようなセンサは有用である。
 また、シリコーンラバーでできたシートに埋め込まれたセンシングデバイスは、例えば、ピエゾ抵抗センサと比べて、電磁干渉を受けない。
 デバイスは、フォトニックトンネルジャンクションアレイとして知られる精密配置の微小チューブペアを通過する光量を計測することで機能する。「圧力に感度があるフォトニックトンネルジャンクションアレイは、光導波チャネルでできている。ここでは、外部の圧力が、それを透過する光の明るさを変える」とParkは説明している。
 デバイスをテストするために研究チームは、センサの上に「圧力スタッブ」を置き、徐々に圧力を強めた。50µm厚PDMSに埋め込まれた5㎜長のセンサで、約40キロパスカル(kPa)の圧力で140%の光パワーの変化を計測した。この概念実証は、デバイスが、1kPaの圧力をセンシングできることを示唆している。これは、人の指と同等レベルの圧力。心拍間の血圧変化は、約5kPaである。
 Parkによると、研究室のデモから実用デバイスへの移行には、何段階か必要になる。
 さらに研究チームは、1次元センサでテストした。ほとんどのアプリケーションは、2Dアレイのセンサを必要とする。それは、1次元シートを90°回転させ、それをもう一方の上に置き、斜交平行アレイを作る。センサのサイズと間隔もアプリケーションの違いに最適化する必要があるようだ。