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MIT、LEDやPDを埋め込んだ繊維製品を開発

August, 17, 2018, Cambridge--織物や繊維の最新の開発は、身につけることができる一種のソフトハードウエアであり、エレクトロニクスデバイスが埋め込まれた布である。
 MITの研究チームは、高速オプトエレクトロニクス半導体デバイス、LEDやダイオードフォトディテクタを繊維に埋め込んだ。それは、南カリフォルニアのInman Millsで柔らかな、洗濯可能な織物になり、通信システムにもなっている。これは、半導体デバイスを組み込むことによって「スマート」な織物を作るという念願の目標の達成であり、高度な機能を織物に持たせるために欠けていた部分であった。
 研究チームによると、この発見は、繊維の新しい「ムーアの法則」を作り出す可能性がある。言い換えると、繊維の能力が時間とともに急速に、飛躍的に成長する急速進行、まさにマイクロチップの能力が何十年もかけて成長してきたようなものだ。
 研究成果は、Natureに掲載された。

 光ファイバは、伝統的に「プリフォーム」と呼ばれる円筒形の母材を造り製造される。それは本質的にファイバのスケールアップモデルで、次にそれを加熱する。柔らかくなった材料は、次に張力で線引きされ、結果としてのファイバがスプールに集められる。
 この新しいファイバ(繊維)を製造するためのキーブレイクスルーは、プリフォームに砂粒程度の発光半導体ダイオード、髪の毛幅以下の銅線ペアを加えたことである。線引きプロセス中に炉で加熱されると、そのポリマプリフォームが部分的に液化し、長いファイバを形成する。ファイバ中央に沿ってダイオードが並び、銅線で接続されている。
 この場合、固体コンポーネントは、標準的なマイクロチップ技術をつかい2種類の電気ダイオード、LEDと光センシングダイオードからなる。「デバイスとワイヤの両方とも、周囲の全てが収縮しても張力を維持する」とReinは線引きプロセスを説明する。結果としてのファイバは織られて織物になる。それは、特に衣類素材を実証するために10回洗濯した。
 「このアプローチは、繊維を作る工程に新たな洞察を加えた。材料を全て液状で線引きする代わりに、われわれは特殊携帯のデバイス2細井金属線を混ぜた」と論文の筆頭著者、Michael Reinは説明している。
 機能をファイバ材料そのものに入れる利点の一つは、出来上がったファイバが本質的に防水であることだ。これを実証するためにチームは、数本の光検出ファイバを水槽に入れた。水槽の外側のランプが、水を通して高速光信号形式で音楽(ヘンデルの「水上の音楽」)を伝送した。タンク内のファイバは、光パルスを電気信号に変換した。それをさらに音楽に変換。ファイバは、数週間水中に置かれ、それを乗り切った。
 原理は簡単に聞こえるが、研究チームによると、それを一貫して動作させ、ファイバが信頼性良く量産できることを保証するのは、長く困難なプロセスであった。
 材料科学・電気工学MIT教授、Yoel Finkは、「すでにわれわれは、織物の基本的能力に通信、照明、生理学的モニタリングなどに網羅できる。この先数年で、織物は付加価値サービスを提供し、美的、快適だけで選ばれることはなくなる」とコメントしている。
 同氏によると、この技術を含む最初の商品が市場に出るのは来年となる見込である。
(詳細は、www.mit.edu)