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NIST、LADARで火中で3D物体溶解を「見る」

August, 14, 2018, Gaithersburg--米国国立標準技術研究所(NIST)はLADARシステムを使い、火中で溶ける物体を3D撮像した。この方法は、火の中で崩壊する構造物を計測する正確、安全、コンパクトな方法である。
 光距離測は、すでに製造や他の分野で使用されており、構造物火災によってもたらされた実用的な課題の克服に役立つ。火災は、熱すぎてビルにマウントされた従来の電気機械センサでは計測できないからである。
 Opticaに発表された論文でNISTは、商用LADARシステムを使って炎の背後で溶けて様々な量のスートを出す物体までの距離をマッピングした。実験は、30µmの精度で、2m以上離れて3D表面を計測した。このレベルの精度は、ほとんどの構造物火災研究アプリケーションの要件を満たしている。
 NISTのデモは、一片のチョコレート、プラスチック玩具に焦点を当てた。
 「早く溶けすぎず、遅すぎないもので効果が見えるものが必要だった」とプロジェクトリーダー、Esther Baumannは説明している。
 LADARは、炎を通してイメージングするためのツールとしていくつか利点がある。その技術は非常に感度がよく、炎の中に少量のスートがあっても対象物をイメージングできる。その方法は、装置が火の高熱から安全な距離でも動作する。また、コンパクトでポータブルであり、ファイバオプティクスと簡単なフォトディテクタに依存している。
 3Dマッピングシステムでは、レーザが連続的に光周波数帯域を掃引する。最初のレーザ出力がターゲットからの反射光と結合される。結果としての「ビート」信号が検出され、この電圧がデジタル信号処理で解析され、距離に相当する時間遅延データを生成する(最初の信号とターゲットからの受信信号との周波数差は、距離とともに増す)。
 研究チームは、LADARを適用して3D「点群」を計測しマッピングすることに成功した。点は、強力な信号散乱と歪みの激しい火災環境でも、画像を構成する「ボクセル」である。比較のためにチームは、溶けるチョコレートのビデオ、より複雑なプラスチック骨格の画像を作成した。
 溶けるチョコレートでは、各LADARフレームは7500点で構成されており、チョコレートの変形過程を十分に捉えることができる。プラスチック骨格は、従来のビデオでは辛うじて見えたが、3D点群は、複雑な形状、胸郭や臀部の詳細を明らかにした、こうした形状は他の方法では炎に隠れてしまう。
 研究チームは、LADARシステムは信号歪を克服するだけの速さがあると判断した。炎によるレーザビームの偏差は、時間的に信号をアベレージングすること収容し、高精度を維持できる。