コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

セントルイス・ワシントン大学、レーザを使って振動を作り出す

August, 6, 2018, St. Louis--セントルイス・ワシントン大学(Washington University in St. Louis)のエンジニアをリーダーとする国際研究チームは、「良好な振動」作り出すレーザ発振システムを開発した。
 開発されたレーザ発振システムは、チューナブルシステムにフォトン、小さな光パケット生成で優れている。このシステムは、フォノンという小さな機械的エネルギービット、つまり振動のエネルギー成果も作り出す。
 そのために研究チームは、フォノンレーザのレーザ線幅を広げ、それを「除外点」として知られる物理系によって操作する。
 線幅は、レーザ発振の重要成分である。これは、レーザ信号の物理的完全性、レーザにおける通常は不要なノイズ計測を示す。
 この研究は、中国、日本、オーストリアおよびミシガンの研究者も関与しており、成果はNature Photonicsに発表された。
 工学&応用科学学部教授、Lan Yangのレーザ、誘導放出による光増幅は、ウィスパリングギャラリモード(WGM)のカテゴリに属する。WGMは、ロンドンのセントポールカテドラルの有名なウィスパリングギャラリのように機能する。ドームの片側の人が、反対側の誰かが壁に話しかけたメッセージを聞くことがてきる。可聴範囲のスイートスポット、共鳴するそのドームとは異なり、そのセンサは光周波数で、また現在は振動、つまり機械的周波数で共鳴する。
 複雑な、スーパーエネルギーモードとして除外点を考えると、その場合、予測不可能で直観に反する現象が起こる。すでに、除外点は、多くの直観とは相容れない活動に貢献しており、最近の物理学研究で成果をあげており、さらなる発見も期待されている。この国際研究プロジェクトでは、物理系の記述に数学的ツールを使った。2つの複素固有値と固有ベクトルが融合、つまり全くの同一になるとき、物理場に除外点が生じた。
「われわれは、フォトンレーザではなくフォノンレーザシステムを使って、われわれの主要な結果を実証する。フォトンレーザの線幅と比較して、フォノンレーザの線幅チェックの方が容易だからである」とYangは説明している。
 2つのフォトンディテクタのある領域に相互に近接させて設置された2つのWGMマイクロ共振器は、光を出入させる導波路に接続されている。これら2つを「スーパーモード」共振器1および共振器2と言う。
 「第1の共振器、これはフォトンをサポートしフォノンを生成するが、光場が十分に強いとき、放射が音響波振動に関わる機械的揺れを始動させる」とYangは説明する。「われわれの測定では、音響波の周波数は10MHzだった。次にわれわれは2つの共振器のギャップを調整し、結合した共振器の透過スペクトルを調べた。ギャップを変えると、スペクトル間隔を調整できることが分かった。われわれは、共振器間の物理的ギャップに応じて100MHzから、80、50にチューニングした。機械的な振動周波数に両者間のスペクトル間隔がうまく一致するようにギャップを調整すると、共振が起こる」。
 共振は、システムからの外力が、一定の周波数で振動するように、別のシステムに起こす現象である。
 2つの光場は、2つの異なる周波数とエネルギーレベルを持っている。10MHzという機械的周波数は、2つのスーパーモード間のエネルギー差に一致する。両方の振動はフォトンをサポートしているが、フォノンを生成するのは1つだけである。
 将来的には、Yangは、フォノンレーザ発振における2つのスーパーモード間のエネルギー差をもっと深く研究し、除外点における予想外の問題を追求する考えである。
(詳細は、https://wustl.edu/)