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米軍研究所、リサイクルの戦場廃物から3Dプリンターフィラメント抽出

May, 11, 2018, ABERDEEN PROVING GROUND--米国陸軍研究所とアメリカ海兵隊との協力で、兵士が戦場で必要とする3Dプリンティングパーツに廃プラスチック、水筒、ミルクジャグ、ヨーグルト容器などが使えることが分かった。
 再生材料は、アディティブマニュファクチャリング(3Dプリンティング)で使う次の材料になる可能性がある。これによって、コストを削減し、サプライチェーンによるパーツの頻繁な補給を減らすことで、前線の軍人の自立を改善する。
 「AM技術の潜在的アプリケーションは広範であり、プリプロダクションモデルや一時的パーツからエンドユース航空機部品や医療インプラントまで、あらゆるものがある」とARL研究者、Dr. Nicole Zanderはコメントしている。
 同氏によると、AMは従来の製法に対して多くの利点がある、パーツの複雑度増大、一度限りのアイテムの時間とコストの削減などである。
 アメリカ海兵隊の共同研究者Capt. Anthony MolnarとZanderは、100%のリサイクルテレフタル酸エチレン(PET)、ボトルやプラスチックから化学的改良、あるいは添加物なしで溶融フィラメント製造(FFF)を作り出した。他のリサイクルプラスチックや強化フィラメントからフィラメントを造るための作業も行われている。
 Zanderによると、PETは多くのアプリケーションで広く用いられているが、FFFの原材料としては一般に使われてるわけではない。これは、溶融温度が高く、水の吸収があり、結晶化度に問題があり、プリントが難しくなるからである。
 Zanderは、リサイクルPETが実用的な新しい原材料となることを示した、と言う。プリントパーツの機械的特性は、商用フィラメントから造られたパーツに匹敵する。
 「機械的特性に関しては、FFFで使用されるほとんどのポリマは、30~100MPaの体積強度がある。リサイクルPETは、平均強度70MPaであり、したがって3Dプリンティング原材料に適していると考えられる」とZanderは説明している。
 一軸引張強度や3点曲げ試験を含む機械的試験が実験室で行われた。これらのテストで、3DプリントされたリサイクルPETの引張強度が商用フィラメントと比較され、同等の強度であることが確認された。さらに、3Dプリントされた無線ブラケット(軍用長納期品)をテストするために特注試験装置が作製された。リサイクルPETから造られたブラケットは、商用ABSフィラメントでプリントされたブラケットと同じ負荷で壊れた。リサイクルPETフィラメントは、広い範囲のプラスチック部品のプリンティングで商用フィラメントを置き換える性能がある可能性がある。
 機械的試験に加えて、リサイクルプラスチックは化学分析、温度安定性、および他の多くの試験も行った。
 プロジェクトオフィサー、Capt. Anthony Molnarによると、水筒やパッケージングなどのPETプラスチックは、戦場で見つかる、最も多い廃品の1つである。米軍も同盟軍もこうした廃品を大量に生み出す。前線展開軍が現場でこれを再利用することができれば、前進作戦基地に部品を輸送する兵站負荷を減らすことになる。また、リサイクルできる材料の廃棄コストも減らせる。
(詳細は、www.arl.army.mil)