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Science/Research 詳細

光子との相互作用を使った超伝導人工原子の自在なエネルギー制御が可能に

May, 9, 2018, 東京--NICT未来ICT研究所の吉原文樹主任研究員・仙場浩一上席研究員らの研究グループは、日本電信電話株式会社(NTT)、カタール環境エネルギー研究所(QEERI)、東京医科歯科大学、早稲田大学と共同して、光子と相互作用した人工原子の極めて大きなエネルギー変化(光シフト)の生成と観測に世界で初めて成功した。
 実験に用いた超伝導人工原子は、超伝導共振回路中のマイクロ波光子と非常に強く相互作用することで、これまでに人工原子で知られていたエネルギーシフト量のおよそ100倍の巨大なLamb(ラム)シフトと光子1個との相互作用でも準位反転が生じるほど顕著なStark(シュタルク)シフトを受けている。この強い相互作用を巧みに利用することで、人工原子の高速制御や、測定に伴う量子状態への反作用を最小化することが可能となるため、量子分野全般で重要な技術になると考えられる。
 研究成果は、Physical Review Lettersに発表された。
(詳細は、www.nict.go.jp)