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パデューとスタンフォード、自動走行車向けレーザセンシング技術開発

April, 25, 2018, West Lafayette--パデュー大学とスタンフォード大学の研究グループは、新しいレーザ光線センシング技術を開発した。同技術は、完全自動走行車をガイドする方法を含め、現在広範に利用されている技術よりもロバストで安価である。
 研究者によると、イノベーションは、位相アンテナアレイを使う従来の最先端のレーザビームステアリングデバイスよりも数桁高速である。パデューとスタンフォードがテストし、使ったレーザビームステアリングは、シリコンベースメタサーフェスと光短パルスとの間の光-物質相互作用をベースにしている。短パルス光は、たとえば、周波数コムスペクトル・モードロックレーザで生成する。そのようなビームステアリングデバイスは、大きな写角をナノ秒あるいはピコ秒でスキャンできる。現行技術はマイクロ秒である。
 スタンフォードの材料科学・工学ポスドク研究フェロー、Amr Shaltoutは、「この技術は既存技術と比べて遙かに単純であり、使用するパワーも少ない。その技術は、2つの異なる分野、ナノフォトニクスメタサーフェスと超高速オプティクスを融合させたものである」と説明している。
 レーザビームステアリングは、幅広い分野で利用できる重要技術。高速レーザスキャニングは、より高いフレームレートに、またイメージング解像度改善に直接関係している。
 研究グループのイノベーションは、エネルギー源をさらに追加する必要のない、チップ適合技術である。同技術は、メタサーフェスと等間隔位相ロック周波数ラインを持つモードロックレーザからの短パルスとの間の光-物質相互作用に基づいている。もう1つの要点は、パタンニングしたシリコン膜をベースにしたメタサーフェスの利用である。
 Shaltoutによると、フォトニックメタサーフェスの利用が新たな進歩の要点である。メタサーフェスによりフォトニック設計は、単純、コンパクト、電力効率のよいソリューションが得られる。これら2つの技術の組合せで、著しく単純なアプローチが可能になる。
 現在の位相アレイ光技術では、個々のアンテナは、それが個別に放射するものでコントロールされる必要がある。Shaltoutのシステムでは、構造の各々が、わずかに異なる周波数を出しており、個別のアンテナに連続的に対処する必要はなく、プロセス中の消費電力にも対処の必要はない。
 研究グループの現在の課題は、イノベーションのスケールアップ、それを実験室から現実世界に持ち出すことである。
(詳細は、www.purdue.edu)