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改良された3Dプリントができる合金がソフトロボットに有望

March, 9, 2018, Corvallis--オレゴン州立大(OSU)工学部の研究チームは、フレキシブルコンピュータスクリーンや、ソフトロボットを含め、他の伸縮可能デバイスを素早く製造するための重要な一歩を踏み出した。
 工学部の共同ロボット工学・インテリジェントシステム研究所(Collaborative Robotics and Intelligent Systems Institute)のチームによる前進は、高電導性ガリウム合金の高さのある、複雑な構造の3Dプリンティングへの道を開く。
 研究チームは、ニッケルナノ粒子を液体金属、ガリスタンに入れて、それを積層造形に適した硬さのペーストにした。
 「粘性が低い合金は、高さのある構造に重ねることは不可能だった。ペーストのような生地で、それは層を重ねることができ、同時にゴムチューブの中で流れ、伸縮する能力を維持する。この発見の潜在力は、伸縮性の高い二層回路を3Dプリントすることで実証した。その層は、触れあうことなく、互いに内へ外へ織製されている」と機械工学准教授、Yiğit Mengüçは説明している。
 研究成果は、Advanced Materials Technologiesに発表された。
 ガリウム合金は、すでにフレキシブルエレクトロニクスで導電材料として使われている。毒性が低く、導電性が優れており、安価で「自己回復」する、すなわち破断点で接続できる。
 しかしOSUで開発された改良は超音波処理を使って、ニッケル粒子と酸化ガリウムを混ぜて液体金属にした。しかし、以前には、この合金のプリント可能性は、二層に限られていた。
 この研究のために研究チームは、高さ10㎜、幅20㎜の構造をプリントした。
 「液体金属のプリンティングは、フレキシブルエレクトロニクス分野では不可欠である。積層造形により、込み入った設計や回路の高速製造が可能になる」と論文の共著者Doğan Yirmibeşoğluは説明している。
 ガリウム合金ペーストは、フレキシブルエレクトロニクスの領域でいくつかの新しい特徴を示している。
 「それは簡単かつ迅速に作ることができる。構造変化は永久的であり、ペーストの電気特性は純粋液体金属に匹敵する、またペーストは自己回復特性を維持している」と論文の共著者、Uranbileg Daalkhaijavは説明している。
 今後は、ペーストの正確な構造、ニッケル粒子がどのように安定化されるか、またペースト熟成にしたがって構造がどのように変化するかを研究する。
(詳細は、www.oregonstate.edu)