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神奈川工科大学、8K超高精細映像の蓄積配信実験に成功

February, 28, 2018, 神奈川--神奈川工科大学は、「情報通信研究機構(NICT)」が主催する”さっぽろ雪まつり”超高精細映像の実証実験で、札幌-大阪間の複数経路の100Gbps広帯域国内回線および、シンガポール-香港経由-大阪とシンガポール-米国西海岸経由-大阪の伝送遅延時間が異なる100Gbps広帯域国際回線を用いて、8K超高精細ライブ非圧縮映像をマルチパス冗長配信する実験および仮想マシン上に構築した8K超高精細映像サーバによる蓄積配信実験に成功した。
 神奈川工科大学は、2018年12月に放送がスタートする8K/4K超高精細映像放送に対し2014年から、超高精細映像品質を落とさず、素材伝送用に圧縮を用いず伝送・畜配信できるシステムの開発に取り組んできた。
 今回、NICT、「大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所」をはじめとする複数の関係組織との共同で、世界初の試みとして、2018年2月のさっぽろ雪まつり実証実験において、札幌-大阪間の複数経路の100Gbps広帯域国内回線および、シンガポール-香港経由-大阪とシンガポール-米国西海岸経由-大阪の伝送遅延時間が異なる100Gbps広帯域国際回線を用いて、8K(7680×4320画素・ハイビジョンの16倍)超高精細ライブ非圧縮映像の8Kデュアルグリーン(8K-DG)フォーマット(24Gbps)を対象にマルチパス冗長配信を行う実験、さらに仮想マシン上に構築した8K映像サーバによる蓄積配信実験を行った。
 今回用いたマルチパス冗長配信は、IPマルチキャスト技術との組み合わせで実現し、複数パスの回線で2重に配信する事でどちらかの回線上で切断やパケットロス等が起きても補完できるほか、マルチキャストの仕組みにより複数の受信者への同時配信が可能となり、受信者が存在しない場合には配信が止まるためネットワークの伝送効率を高められる事を実証した。
 今後は、今回の実証実験での結果を踏まえ、医療系への応用、ネットワークやクラウドを利用した超高精細映像製作ワークフローの確立、マルチメディア研究との連携による新たなメディア製作手法の確立にむけて研究開発を進めていく。
(詳細は、www.kait.jp)