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NTT、シリコンナノトランジスタによる血清中イオン濃度の計測に成功

February, 13, 2018, 東京--日本電信電話(NTT)は、フランス国立科学研究センター(CNRS)、オランダデルフト工科大学(デルフト工科大)と共同で、ナノスケールのシリコントランジスタを流れる電流が、その表面上にある水溶液中の様々な陽イオンの濃度により変化することを見出し、この現象を利用することにより、血清中の陽イオンの濃度を計測することに成功した。
 トランジスタを用いたイオンセンサは、通常、特定のイオンを識別し検出するために、測定するイオン毎にイオン選択層を付加する必要があり、構造やシステムが複雑になっていた。今回、ナノスケールの表面に特有のイオン応答を利用することにより、イオン選択層を用いることなく、多種のイオンを計測できることを確認した。新しい表面化学を利用した高機能センサの実現に繋がるものとして期待される。
 NTTは、CNRS、デルフト大と共同で、ナノメートルスケールのシリコントランジスタ上にマイクロ流路を形成したナノISFET(Ion-Sensitive Field-Effect Transistor)を用いて、イオン選択層を用いることなく、血清中の様々な陽イオンを同一のデバイスで計測することに成功した。これにより、従来のISFETでは難しかった高機能な動作を実現した。
 ISFETを安定に動作させるためには、再現性に優れ、ノイズの少ないトランジスタを作製する技術が重要。NTTがこれまで培ってきナノトランジスタの作製技術と、CNRSで開発したマイクロ流路形成技術を組み合わせることにより、液体中においても電子1個レベルの感度を安定して実現するシリコンナノISFETが作製可能となった。今回の新たな陽イオン応答の観測ならびに血清中イオン濃度の計測は、そのようなシリコンナノISFETの安定動作により実現が可能となった。
 この成果は、Nature Materialsオンライン版で公開された。
(詳細は、www.ntt.co.jp)