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接地センサを使って航空機攻撃のレーザ源を検出

January, 29, 2018, Lexington--航空機のパイロットや乗客にとって安全性の懸念はレーザ攻撃、航空機に対する高出力レーザポインタの攻撃である。レーザ攻撃は、パイロットを多くの危険にさらす。過去10年、レーザ攻撃は着実に増加している。
 レーザ攻撃の犯人は米国では連邦、州、現地法で罰せられるが、正確でタイムリーな情報がないために、これまでに逮捕された犯人は1%以下である。
 現在の効果的なレーザ攻撃緩和システムの欠如に対処するために、MIT Lincoln研究所のレーザ技術とアプリケーションおよび航空管制システムグループが協力してLASSOS(Laser Aircraft Strike Suppression Optical System)を開発した。LASSOSは、地上のセンサシステムで、レーザ攻撃の犯人の推定位置を正確に特定し、ただちに警察に通報することができる。
 同システムの動作は、側方散乱レーザ光を捉え、それを犯人の位置まで追跡する。レーザが空に照射されると、光の微量が空気分子とエアロゾルによって散乱し、レーザの針路に残留ストリークを形成する。2つ以上の高感度、低雑音CCDカメラが多数視点から散乱光を撮像し、レーザストリークをデジタル的に3D再構成するために必要な幾何学的な相違点を提供する。レーザ源の地理座標は、レーザストリークを地球表面の地形的に正確なモデルにしたがって追跡することで計算される。
 特に効果的になっているLASSOSの特徴は、それがGoogle Earthに統合されていることである。カメラによってレーザが検出されると直ちに、ストリークのデジタル再構成がリアルタイムでGoogle Earthマップに現れる。この画像は、検出事象を集約し、レーザの原点と夜空を通った最も可能性の高い経路を描く。画像が捉えられて30秒以内にLASSOSは近隣の警官に犯人のGPS座標、最寄りの住所、事件の時間を提供する。この情報により警官が迅速に介在することができる。
 LASSOSは、レーザ攻撃の差し迫った、また将来の脅威の両方ともを小さくする可能性がある。レーザ攻撃が例え航空機のパイロットを直撃しなくても、警官はLASSOSを使って犯人を見つけ、犯人が重大な障害を起こす前に彼らを拘束することができる。さらに、事件でLASSOSが集めたデータは、犯人の起訴で証拠として使える。
 システムのプロトタイプは、いくつかのテストでそのスピードと正確さを実証している。1つの実証テストでは、LASSOSの測位能力を9海里の距離でテストした、航空機がレーザに最も弱いとき、最終進入路の典型的な長さをシミュレートするためである。1つのセンサをリンカーン研究所のBビルの上に置き、もう1つをHanscom 空軍基地のFlight Test Facilityの上に置いた。9海里離れた野球場からテスタがハイパワーレーザビームを照射し、LASSOSは30秒足らずで測位した。システムは非常に正確で、レーザビームが、野球場の一塁、二塁、三塁ベースのいずれから来たかを区別することができた。
(詳細は、www.ll.mit.edu/news/LASSOS.html)