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テクトロニクス、テラヘルツ・マルチプレクサによる世界初のデータ転送実証

January, 10, 2018, Beaverton--テクトロニクスは、近い将来、次世代の超広帯域無線通信リンクを可能にする技術の実証試験において、テクトロニクスの計測器が重要な役割を果たしたと発表した。
 Nature Communicationsによると、国際研究チームが、セルラ通信網の100倍近い50Gbpsの高速総データ・レートにより、テラヘルツのマルチプレクサで2つのリアルタイム・ビデオ信号を初めて転送した。
 無線データ転送の速度と容量のニーズは、マイクロ波で転送可能な値を超えて増え続けており、より多くの容量でデータ転送が可能な、高周波のTHz(テラヘルツ)波の使用に関する研究が進められている。この研究チームの一つが、米国のブラウン大学と、フランスのIEMN(マイクロエレクトロニクス・ナノテクノロジ電子研究所)、CNRS/リール大学の国際共同研究チーム。
 この研究チームは以前にも、光ベースのTHz回路を使用して、光ファイバと無線を組み合せて高速データ・レートが実現できることを示している。しかし、実現可能なシステムでは、信号のマルチプレクス/デマルチプレクス(Mux/Demux)のシステムが不可欠である。研究者は、平行に配置した2枚の金属版からなる導波路システムを使用し、264.7GHzと322.5GHzの異なる周波数のTHz波に2つのHDテレビ放送をエンコードした。次に、両方の周波数をいっしょにしてマルチプレクサに送り、テレビ受信セットでデバイスからの信号を検出。さらなる実験から、このシステムにより、50Gbpsまでのデータ・レートを低いエラー・レートで配信できることが示された。

テスト機器の役割
 実証実験では、QPSK変調を採用。光信号は、光混合プロセスで生成されるデュアルTHz信号より前に、デュアルネスト型のマッハゼンダ変調器(MZM)で変調。次に、テクトロニクスのAWG70000シリーズ任意波形ジェネレータを使用し、同相、直交データ・フローのための、2つのベースバンドNRZ(Non-Return-Zero)データ信号を生成。
 検出では、2つの周波数のTHz信号はショットキーベースのサブ高調波ミキサで40GHz以下にダウンコンバートされる。出力は、テクトロニクスのDPO70000SXシリーズ70GHzオシロスコープで増幅され、検出。ダウンコンバートされたTHzチャンネルに関連した2つのQPSK信号は解析され、変調データと関連するコンスタレーション・ダイアグラムが得られる。
(詳細は、www.tektronix.com)