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UNIST、シリコンチップベース量子フォトニックデバイスを開発

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December, 22, 2017, Ulsan--蔚山科学技術大学校(UNIST)と提携している国際研究チームは、量子情報処理に使用される量子フォトニックデバイスのためのコア技術を発表した。光を生成するための量子ドットと、シングルデバイスで光を操作するためのシリコンフォトニック技術の組合せを提案している。
 ブレイクスルーは、UNISTの自然科学部、Je-Hyung Kim教授をリーダーとして、米国メリーランド大学の研究グループとEdo Waks教授との協働で達成された。
 この研究では、研究チームは、シリコンフォトニックデバイスと固体シングルフォトンエミッタの統合を実証した。シリコンフォトニック導波路とInAs/InP量子ドットとを組み合わせるハイブリッドアプローチを使用している。InAs/InP量子ドットは、OバンドとCバンドに渡る通信波長で効率のよいシングルフォトン光源として機能する。
 最近開発された量子光源は、量子物理学の特性を示している。重ね合わせ、量子エンタングルメント、電子複製不可能定理がこれに含まれる。これにより画期的なアプリケーション技術が可能になる、例えば量子シミュレータ、量子状態転送、量子暗号。しかし、実際の量子情報処理技術に使用する技術を商用化するには、フォトニックデバイスで直接量子オプティクス実験を行う必要がある。研究チームによると、そのようなイノベーションは量子回路の先駆となる。量子回路は、将来の量子コンピュータや通信で大きな役割が期待されている。
 「フォトンベースの集積量子光デバイスを構築するには、シングルチップで多数の量子光源を造る必要がある」とKim教授は言う。「この研究を通じてわれわれは、非常に効果的な量子ドット量子光源を作製し、シリコン基板の利用で光を操作する経路を造ることで量子光デバイスの基本形を提案した」。
 研究チームは、シリコンフォトニックデバイスと固体シングルフォトンエミッタとの統合を実証した。ここで使ったのはハイブリッドアプローチ。シリコンフォトニック導波路とInAs/InP量子ドットを組み合わせる。InAs/InP量子ドットは、通信波長のOバンドとCバンドにまたがる通信波長で効率的なシングルフォトン光源として機能する。次に,研究チームは、ピック&プレイス手順で量子ドットを除去した。ここでは、集束イオンビーム顕微鏡と走査型電子顕微鏡を組み合わせたマイクロプローブを用いている。この技術により、InAs量子ドットを含むテーパー状のInPナノビームをナノメートルスケールの精度でSi導波路に転写することができた。
 「この統合により、最先端のフォトニクス機能を利用する可能性が開かれる。こうした能力は、オンデマンドシングルフォトン光源からの非古典的な光を制御しルーティングするためにシリコンで開発されたものである。さらに、作製されたデバイスは通信波長で動作し、電気駆動である。すなわち、ファイバベースの量子通信で使えるということである」と研究チームはコメントしている。
 研究チームが開発した量子光デバイスは、量子ドットからの放出をシリコン光回路に沿って高効率に転写することに成功した。これを使い、研究チームは、ハンブリーブラウン・トゥイス計測(Hanbury-Brown and Twiss measurement)を行うために、オンチップシリコンフォトニックビームスプリッタ組み込みにも成功した。
「われわれのアプローチにより、予め特性評価されたIII-V量子フォトニックデバイスを大規模フォトニック構造に組み込み、多くのエミッタやフォトンで構成される複雑なデバイスが可能になる」とKim教授は語っている。