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LANL、化学処理が量子ドットレーザを改善

October, 23, 2017, Los Alamos--ロスアラモス国立研究所(LANL)のナノテクチームの新しい研究で、ナノメートルサイズのドットに電子を付加的にドープした。これは、少ない誘導とエネルギー損失で所望のレーザ光を生成するようにドットを動かす処置である。
 ナノテクチームのリーダー、Victor Klimovは、「製造中に粒子内の組成プロファイルを適切に調整し、各ドットに2つ以上の電子を添加すると、レーザ光放出が増加する。重要な点は、発振動作に必要なパワーが著しく少なくなることだ」と説明している。
 材料にレーザ光を放出させるためには、「反転分布」させなければならない。つまり、より高いエネルギーの電子状態で電子の数が、低いエネルギー状態における電子の数を上回っていることである。通常、この条件を達成するために、一定のパワーの外的刺激を利用する。これによって「反転分布」光-利得閾値」という臨界値を超える。最近のパラダイムシフト的な進歩により、LANLの研究チームは付加的電子を特殊設計の量子ドットに添加することで、この閾値を実質ゼロに下げられることを実証した。
 標準的な発振材料は、励起によって誘導されると、発振が始まるまでの一定時間に光を吸収する。発振の途中、光が吸収も増幅もされないとき、材料は「光学的透明」の状態に移行する。量子ドットに余分の電荷キャリを加えることで、研究チームは吸収を阻止し、外部の刺激なしで透明状態を作ることができた。これは、極めて弱い励起でも発振放出を開始できることを示している。
 この研究のもう1つの重要な要素は、新しいタイプの量子ドットである。その内部は、発振活性状態を、標準的な粒子の発振よりも遙かに長く維持するように設計されている。通常、付加的電子の存在は発振を抑制する。、量子ドットエネルギーがフォトンストリームとしてではなく、無駄な熱として素早く放出されるためである。新しいLANLの粒子設計は、このような寄生損失を除去し、粒子のエネルギーを放出チャネルに回した。
(詳細は、www.lanl.gov)