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KAUST、3Dプリント使い捨てスマートセンサ開発

August, 23, 2017, Thuwal--毒ガス、温度や湿度の変化を検出できる3Dプリントされた使い捨てセンサが環境モニタリングを変革する可能性がある。
 緊急時、早期警報が山火事や薬品漏れなどの危険から逃れるための決め手になる。安全性向上のためにKAUST(キング・アブドゥッラー科学技術大学)のチームは危険を知らせる安価で高信頼のシステムを開発するために3Dプリンティングを使っている。
 既存の早期警戒システムは、衛星モニタリング、監視塔あるいは高価な固定センサに依存している。電気工学准教授、Atif Shamimのチームが開発したシステムは、使い捨てのセンサパッケージで高リスクエリアをいっぱいにし、動作する。センサはワイヤレスで数少ない、アラームを上げる固定ノードに接続されている。
 Shamimは、これをIoTへ向かうものであると見ている。「IoTでは、人の代わりにインフラストラクチャが賢明な決定をする」。
 この概念実証研究で、熱や低湿度、いずれも山火事の特徴、さらに硫化水素や毒性産業ガス、これらを検知する小型センサを設計した。小型センサは、3Dプリントされた2㎝3ノードにインクジェットプリントされた。ノードは、あらゆる方向にデータを伝送するアンテナとともに、バッテリーとマイクロエレクトロニック回路を搭載している。
 Shamimによると、採用したのは3Dおよびインクジェットプリンティング。採用の理由は、積層プロセスであり、高速、ローコスト、環境にやさしいからである。「材料は、所望の位置に正確な量が堆積される。従来の製造法は、大きな材料を使い、徐々に材料を削って、最終形状を実現するので、大きな無駄が生ずる」。
 PhD学生、Muhammad Farooquiが設計したノードは、実験室と現場の両方でテストした。高所からの落下、70℃までの高温でも問題はなく、野火の早期警戒に十分である。また、リアルタイム環境モニタリング向けの最初のローコスト、完全集積、完全パッケージ、3Dプリントワイヤレスセンサノードである。
 現在、そのノードは3Dプリンティングとインクジェットプリンティングの組合せを使って作製さている。全ての材料を複雑な設計にしたがって正確に堆積できる3Dプリンターが存在しないためである。しかし、いずれ単一の装置でプリントできるようになり、それにより製造時間は飛躍的に短縮されることになる。
 次のステップは、エネルギー源の組込である、これによりノードは遠隔地で自立的になる。「インクジェットプリントの太陽電池はすでに実証されており、最終的にはわれわれは完全にバッテリーを除去したい」とShamimは言う。
 バッテリーを除去し、サーキットボードの代わりに量産特注チップを採用することで、個々のセンサノードのコストは1ドル以下になる。数十万の命を救う技術がわずかな価格で実現する。