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3Dプリントした4億年前の魚の化石で人間への進化的関連が明らかに

August, 18, 2017, Canberra--4億年前の魚の化石を研究したオーストラリア国立大学(ANU)のチームは、進化系統の一部をなす顎の構造が人と関連があることを発見した。
 化石は、キャンベラの北西50km、Lake Burrinjuck付近の古代石灰石から発見された。一帯は化石の貝殻やササンゴが豊富であるが、板皮類と呼ばれる消滅した甲冑魚の珍しい頭蓋も存在する。
 共同研究者、ANU PhD学者Yuzhi Huによると、この例はこれまでに発見された中で非常に保存状態がよい板皮類の頭蓋である。
 「この古代の魚の顎関節はまだ人の頭蓋にあるが、今では中耳の一部である」。
 研究チームは、ANUの高解像度CTスキャニングファシリティを使い、高分解能で3Dプリントアウトした頭蓋の内部構造を調べ、顎の要素を再構成した。これは、化石の脊椎動物では以前には利用されたことのない技術である。
 研究チームは、スキャニングデータを分析して、板皮類では初めて完全な内部の顎の軟骨を明らかにした。これは、全ての以前の解釈と異なる顎関節を取り囲む構造である。
「化石の保存状態から血液を顎と脳に供給する溝をトレースすることができる」。
 研究者によると、血流の方向は、一部の主要動脈で解明できる。
 共同研究者Dr Gavin Yougの説明によると、「人や他の動物の頸動脈は、首を通して血液を運び、脳に酸素を供給する。Burrinjuck化石の頭蓋底部の溝の交差は、外部頸動脈相当の反対方向に血液が流れていることを示している、人ではこの動脈が血液を顎や顔に供給している」。
「これは、内部頸動脈への酸素を豊富に含んだ主要な血液供給であり、これは脳の空洞に入る開口部につながる、消滅した溝を形成する」。
 中国の上顎板皮類の最近の発見まで消滅した板皮類は伝統的に進化のサイドブランチと見なされていた。
 (詳細は、www.anu.edu.au)