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M Squared、「スクランブルライト」波長計でブレイクスルー

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June, 8, 2017, London--レーザ計測における画期的なイノベーションにより原子サイズの100万分の1の変化を計測でき、新しい低コスト技術のお陰で量子技術やヘルスケアでの利用に変革を起こす可能性がある。
 セントアンドルーズ大学(University of St Andrews)とM Squared Lasersのチームが光のランダム散乱原理を使って新しい種類のレーザ波長計を実現した。これは波長の計測法における限界を打破するものである。
 波長計は、光の波長を特定するために科学の多くの領域で使われている。全ての原子と分子が、極めて正確な波長で光を吸収するので、高分解能で波長を特定して操作することは様々な領域で重要になる。生物学的、科学的サンプルの特定から、個別原子を冷却して宇宙深部よりも低温にする分野までである。
 波は、水の波でも光の波でも、干渉を介して相互作用する。2つの波が同時、同位置でピークに達し、その結果がもっと高い波になることもあるが、1つの波のピークが別の波の低値と一致して、より小さな波となることもあり得る。こうした効果の組合せが干渉縞を生む。
 従来の波長計は、高精度光学部品の精巧な組立によって生成される干渉縞における変化を分析する。最低価格の装置で数100ポンド、数1000ポンドであり、日々の研究用途ではほとんどが数万ポンドである。
 それに対して研究チームは、全ての市販波長計を凌駕するロバストで低コストの機器を実現した。これは、直径5㎝の球の内部で光を光らせることによって実現した。球は白く塗られており、小さな穴から逃れ出る光の画像を記録する。その光によって形成されるパターンはレーザの波長に対して途方もなく高感度である。

Dr Graham Bruceの説明は以下のとおりである。
 「レーザポインタでセロテープなどを通して粗い表面を照射すると、照射面が明暗のまだらで粒子状、斑点に見える。これがいわゆるスペクルパターンであり、粗い表面で様々に反射されたビームの多様な部分間の干渉の結果である。このスペクルパターンは、何の役にも立たないと見られているが、実際は照射レーザについて豊富な情報を持っている。
 どんな散乱媒体を通していてもそのレーザによって生成されたパターンはレーザのパラメータの変化に極めて高感度であり、これがわれわれが利用したものである」。
 計測精度は、現在市販の装置よりも約10~100倍優れている。
 これにより、1フェムトメートル以下の微小な変化を計測することができた、これは単一原子の直径の100万分の1に相当する。
 また研究チームは、レーザ波長のアクティブ安定化のためにこの高感度計測を使えることを示した。
(詳細は、www.m2lasers.com)