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「容積」イメージング法で採血なしの化学物質含有量検査

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May, 15, 2017, Lafayette--組織深く浸透する特殊タイプのレーザビームを使う「化学イメージング」システムは、ドラッグテスト、ガンや糖尿病などの病気の早期発見を含め、分析に採血の必要をなくする技術につながる。
 同システムは、誘導ラマン顕微鏡・トモグラフィと言い、生体機能に影響を与え、精度の妨げとなる蛍光染料を使うことなく、「容積イメージング」を可能にする、とパデュー大学(Purdue University’s Weldon School of Biomedical Engineering, Department of Chemistry and Birck Nanotechnology Center)のJi-Xin Cheng教授は説明している。
「容積化学イメージングにより、細胞などの3D複合生物組織の化学組成の理解が向上する」と同氏は指摘している。
 この技術では、ベッセル(Bessel)ビームと言うタイプのレーザビームを使用する。これは、他のイメージング技術で使用される従来の「ガウシアンビーム」よりも長い焦点距離を維持できるので、組織深部に浸透することができる。誘導ラマン分光では蛍光染料が不要になる。この技術では、スキャニングビームが生成する信号を「集計する」ことで細胞全体のイメージングが可能になるので、他の方法よりも正確なデータが得られる。
 Nature Communicationsに掲載された報告によると、同技術は、サンプルを回転させ画像再構築によって3D構造を再構築しながら一連の画像を収集し、化学組成についての情報を生み出すことができる。
 ベッセルビームは、一対の円錐型の「アキシコン」レンズを使って作り出し、顕微鏡対物レンズと組み合わせる。
 超解像度技術により研究者は可視光波長よりもはるかに小さな構造的特徴を明らかにすることができる。通常、250nmレベルよりも小さな特徴のイメージングを阻む「回折限界」を回避することができるからである。ある生体分子や細胞の構造には250nmよりも小さいものがある。
 しかし蛍光顕微鏡は通常蛍光タグを必要とする、これは生体プロセスと干渉し、化学的構造の判定精度の邪魔になる。
 今後の研究は、システムの検出感度の向上、イメージング品質と速度の改善である。
(詳細は、www.purdue.edu)